コンス さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
虚構と事実のバランスのよさ
またぞろ回顧主義で申し訳ない。
放映当時の日本はPKOが法制化され自衛隊が国外に派遣される初めての状況に賛否両論であった。
題材があまりにもリアルタイムであるために視聴前はバランスに欠けた内容になるのではないかと不安もあった。
視聴後、その不安はたやすく感動に変わり賞賛になった。
この作品の素晴らしさは正否を敢えて問わなかった点にある。
いくらでも自己の主張を押し付けることが出来る題材であったにもかかわらず、抑制された雰囲気はその深刻さをより鮮明に表現できていた。
イデオロギーではなく事実として起きている、あるいは起きうる傷跡の深さがこの題材に対して安易に答えを出すことの愚かさを浮き彫りにしている。
予備知識はいらない。自分に出来ることを精一杯やった人間たちの絶望と苦悩を味わえる珠玉の一品。