チョビ髭 さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
フラクタルは万華鏡
ある日**メーヴェから落ちた女の子を助けた主人公は、御褒美に*飛行石をもらう。とりあえず呪文を唱えた処、※幼女ナディアの召喚に成功。
日本人なら誰しもが「ん?」と思うような展開から始まる冒険譚、それが『フラクタル』。
助けた*シータにはもちろん追手がいる。※グランディス一家として登場する*ロリ・ドーラは、自宅へと押し入るのだが、シータの姿は無く代わりにナディアと主人公を兄**ナムリスの元へと拉致していく。(ドーラはツンデレロリである。幼女属性が被るのでナディアとドーラは険悪)
ドルク神聖皇帝ナムリスは思いのほか良い奴で、敵視しているフラクタル施政とはけしからんシステムであると彼らとの戦いを通し教えてくれる。(その際げんこつではなく銃でやり合い※ハンソン死亡)
フラクタルシステムとは掻い摘んで話せば{netabare}、電脳ユートピアに依存しないと生きてけないよう仕向ける独占企業ってか洗脳教団。金さえ払えば需要をすべて満たしてくれる。依存し過ぎてみんなヒッキーになっちゃった事が問題らしい。システムは定期的にヒロインの更新が必要でその為にシータと飛行石を狙ってる。
そんなこんなで囚われの身のシータを助けに行く事になるのだが、敵ボスを観察するとどうも様子がおかしい。
拘束したシータを開脚診察台へと運び、主人公と性的行為が無かったか確認しようとする念の入り様。処女厨ココニ極マレリと云ったこのボス、オリジナルでも大概ではあったが変質者化された*ムスカのようだ。
そんな悲壮感漂う大佐にも心強い女戦士がいる。その名は「お母さん」だ。
お母さんはムスコを守るべく檄文を発します。(CV:ナウシカ/クラリス)
―世界は今滅びの危機に瀕しています。世界を支えるフラクタルの枝分かれ、芽を育む力を失おうとしています。
斧を持つのはロストミレニアム運動を行う民達です。その一つ一つは小さな斧でも絶えず打ちつけられれば大樹をも揺らすのです。
もはや慈悲は尽きました。世界は彼らの死を望んでいます。フラクタルの御許において、彼らに永遠なる魂の平穏を―(意味深)
こうして表面的には【変態ムスカ+DQNお母さんVSラピュタ+ナウシカ+ナディア】のクライマックスへと盛り上がっていく。
オイオイこれってもう勝負見えてんじゃん、などと思う方もいるかもしれない。しかし京アニの巨匠ヤマカン先生ならば、いくらなんでも気付かれているはずだ。
これでは【ユートピアを演出する同僚を、ジブリを騙り成敗する構図】だと云う事に。さらに言えば傑作と呼ばれる作品群を弁解できないレベルにまで汚している。アニメ界の右と左を同時に煽った格好だと。
残された時間はもうわずか、絶体絶命の窮地から自身を否、制作陣を救う事はできるのかw
人類の夢は今日もまたバルスされてしまうのかw
どおなんだ巨匠おwwwww
{/netabare}
フラクタルと名乗る当図/作品から観える紋様は万華鏡。抽象度というダイヤルを弄れば素材は諧謔的に踊りだします。その彩りはシニカルでハレンチでカオス。
幾重にも重ねた複線は視聴者に敵意を植え付ければすべて負の解釈へ。神話や古典のパロディはアニメ界には溢れてます。一歩間違えば、は想像に難しくありません。
{netabare} 根幹に作品名を据えSNSにて炎上したと聞けば、立派なカタキとして散って逝ったかとの思いも湧きます。ですが同時に(笑)は避けられませんでした。{/netabare}
ガリバー旅行記、ドンキホーテ等の風刺好きにお薦めでしょうか。絵本ではありませんよ、深夜枠です。ビジュアルに騙されませんように。
◆このレビューは【フラクタル施政VSロストミレニアム運動】を主軸に考察した脚色です
『フラクタル』全11話
監督:山本寛
アニオリ原作:山本寛、東浩紀、岡田麿里
アニメーション:A-1 Pictures
*→天空の城ラピュタ属性
**→風の谷のナウシカ属性
※→不思議の海のナディア属性
註の註ですが『不思議の海のナディア』は宮崎駿『天空の城ラピュタ』のドラマアニメ案を当時所属していたNHKに提出したところ却下されたもので、自主映画でヒットした後、原案に関しNHKが帰属扱いと主張し『王立宇宙軍』の負債に苦しむGAINAXに同案からつくらせたアニメ