退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
中身がないという中身がある力作
個人的には映像も内容もほぼ文句ナシでとても面白かったです。
色々言われてますけど、制作側の狙いはほぼ成功してたんじゃないでしょかね?
実写とアニメーションの境界が限りなく曖昧なロトスコによって、現実と虚構が混濁していくような不安定な思春期を見事に映像化出来ていたんじゃないかと思います。
変態が意味するところは誰しも人間が持ちうる衝動・本能ですよね。
自我の不安定な思春期においては、自分が何者なのかと言う事が最大の関心事ですから、その衝動を突き詰めて自分が何者であるかを知ろうとします。その結果が奇行の数々に繋がります。
初めは理解出来なくても、だんだん仲村さんも可愛く見えてきます、私だけかも知れないですけど(笑)
この作品の良いところは、どんどん事態がありえないほど悪くなるのに意外と説得力があることでしょうか。自分は変態であると(思いこみ)、何かしら一瞬のキッカケでタガが外れ反社会的な事に踏み込んでしまい、そうなるともう後戻り出来なくなる(と思いこむ)ので、逃げ場も徐々になくなり泥沼化していきます。その激しい視野狭窄が事態を悪化させていく。ただ視聴者には緊張と笑いが同時にやってくるというこれまた珍妙な面白さがありました。
本当は彼らは真面目すぎて、人よりも自分の事を考える機会が多かっただけなんじゃないかと思います。
話が突飛なのにリアリティが濃く感じるのは、理性のタガを外れた未熟な人間の生々しさがあったからでしょうね。笑えるところもあれば、息が詰まりそうな場面もあり、最後も悪くないまとめ方で全体として素晴らしい出来でした。
まぁ評価が低いのは仕方ないですね。クソ虫向けですし。