こたろう さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
最強は物語を台無しにする
ラノベ原作。ファンタジーバトル。
箱庭と呼ばれる世界で、それぞれ異なる時空や時間軸から召還されれた主人公達が活躍するお話。
チートな特殊能力を持つ主人公3人の奔放さから”問題児”と称されていますが、それ程の問題行動はあんまりしないです。
というか、割と思慮深かったり情に厚かったりで、むしろ優等生?とも思えます。
なんつーか、目を引きやすいインパクトのため、中身と合わない付け方をする近年のラノベの作品タイトルを象徴してますね。
まぁ、どーでもいい事ですが^^;
バトルものとしての世界設定がよくできています。
箱庭にはそれぞれのコミュニティと呼ばれる組織があり、ギフトゲームというバトルに参加したり、逆にゲームを主催する事で勢力を伸ばしたり目的を達成したりする世界。
そこにいるキャラクターも世界中の神話や伝承に由来した多彩な種類が存在し、当然、いろんな能力を持っている。
まぁつまり簡単にいうと、ごった煮で何でもアリ。
洋の東西、宗教を問わず、精霊から神仏の類まで何だって登場させられる自由度の高さが強みです。
バトルを行うためのギフトゲームもいい設定。
戦闘力で力押しするだけのバトルではなく、様々な制約のついた条件とルールの下で行われる戦いなので、個々のキャラクター特性を活かしたバリエーション豊富な勝負が作れます。
で、召還された主人公達はその箱庭世界で弱小コミュニティの復興を助けていく事になるわけですが、肝心のバトルがちーっとも面白くありません。
何でもアリのところに、さらに謎の強さを持った主人公が無双状態で暴れまわっても、ドキドキもハラハラもすること無く結果の見えた出来レース。
ギフトゲームに至るまでの政治的な駆け引きや、相手の能力を看破する部分が面白いだけに、いくら見栄えが派手であっても、ただ戦って勝つだけの戦闘が残念に思えます。
折角のギフトゲーム上の制約も、最強主人公がアッサリ粉砕していくので台無し。
俺様系の強くて頼りになる主人公は嫌いじゃないですが、コイツが居ない方が絶対面白くなっただろうなー・・・と思えてしまいます。
やっぱりバトルって、勝てそうにない強い相手に対峙して、知恵と工夫と努力で勝利しないと全然盛り上がらないですね。
総じて、イマイチな感想になってしまいましたが、決してキライなわけじゃないんです。
黒ウサギは可愛いキャラだし、ノリノリなEDテーマも大好き。
ただ壮大で大仰な設定の割には、いまひとつ決め手に欠けるというか、私にはグッとくるものがなかったのです^^
アニメとしての出来はそんなに悪くないので、お好み次第。
ファンタジーバトルがお好きな方には、合うかもしれません。