退会済のユーザー さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
僕らにとってガンダムとは
【個人的殿堂入り作品】
松本零士作品で宇宙への『無限の憧れ』を抱いて育った世代にとって、
ガンダムで突きつけられた『リアル』は強烈なものだった。
いくら宇宙海賊になりたいと思っても、999に乗って旅をしたいと思っても、
それは叶わぬ夢なのだと子供心にも分かっていた。
改造した昔の戦艦が地球の運命を一身に背負って、
遥か彼方の星へ旅立つというのもやはり『浪漫』の世界の出来事だということも。
しかしだからこそ安心してあの世界に浸れたのだろう。
一方『ガンダム』の世界はどうだろう?
増えすぎた人口の対策としての宇宙移民から始まるスペースノイドとアースノイドの対立。
やがてそれは独裁者の手によって戦争へと至り、皮肉にもその結果として人口は激減してしまう。
正直実際に起こりそうで怖かった。
そう、『ガンダム』は人類が宇宙に出ていくことで起こり得る最悪の事態のひとつを描いた作品なのだ。
そしてコロニー落としを例に挙げるまでもなく、その最悪をもたらすのは宇宙人ではなくて人類自身。
本来人類の相互理解をより深める存在とされるニュータイプの兵器的利用によって、
戦争が終結するという結末も皮肉が効いていて恐ろしい。
結局のところ僕が『ガンダム』という作品にここまで惹かれてしまったのは、
その前に松本零士作品に浸っていたからなのかもしれない。
そして世の中、夢や浪漫だけでは語れず現実というものがはっきりと見えてくる年頃に、
この作品に出会えた僕らの世代はとても幸運だったのかもしれない。
{netabare}【各話評価:平均6.69点】
1→43
☆☆☆◎☆☆◎◎☆神☆☆☆神◎☆☆☆神☆☆神☆神☆☆☆神☆☆☆☆☆神☆神☆☆◎◎☆☆神
【神回】
第10話「ガルマ 散る」
ホワイトベースの作戦、シャアの企み、ガルマの最後。緊迫感溢れる傑作回。
第14話「時間よ、とまれ」
クワラン率いるジオンのパトロール隊の描き方がとても爽やかで良い。
第19話「ランバ・ラル特攻!」
脱走したアムロがランバ・ラルと遭遇、そして・・・。名シーン、名セリフが連続する印象深い回。
第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」
ブライトが病気で倒れテンパるミライさんが何かとても新鮮^^
第24話「迫撃! トリプル・ドム」
重モビルスーツ・ドム、黒い3連星、ジェットストリーム・アタック、そしてマチルダさん・・・。
第28話「大西洋、血に染めて」
戦争の悲劇を象徴するミハルの物語。
第34話「宿命の出会い」
印象的なララァとの出会いのシーン、シャアとの対面、そしてアムロに覚醒の兆しが。
第36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」
ソロモン攻略戦の後半。名シーン、名セリフの連続!
第43話「脱出」
感動の最終回。何回見てもジーンとくる。{/netabare}