buon さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
暗黒街に置いてかれたリーマン、衝撃の再就職
おもしろい。
一気に全シリーズを観て、大分、時間が経つが、言葉が見つからなかったので放置してました。
まあ、興奮が収まっただけでいい言葉は見つからないが書いてみます。
暗黒街の日常系w ガンアクションアニメ。
◆1クール全12話、一応
◆原作漫画、既刊9巻、2013年の1月号を最後に休載・・・だと!?
◆シリーズ作の第1期、TV1期(今作)→TV2期→OVA
※ネタバレ感想、1期と2期と記憶が入り混じっている可能性あり
{netabare}
---あらすじ---
東南アジアのどっかの国にあるロアナプラっていう犯罪の温床みたいな街、そこにある犯罪組織の1つ、ラグーン商会。
ボスのダッチ、二丁拳銃のラヴィ、ハッカーのベニーの3人が仕事で、とあるCD-ROMを強奪。ラヴィがお小遣い稼ぎのつもりで、ついでに人質として日本人サラリーマンを誘拐する。後のロックである。
高速船を持っている運び屋兼なんでも屋のラグーン商会の面々と、堅気の世界から紛れ込んだロックの穏やかではない日常の物語。
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暗黒街、犯罪組織、強盗や人殺しを幇助する元リーマン。
ガンアクションが売りではあるが軍事モノとは言い難い。それはともかく、裏社会でも最もドス黒い、陽の当たらない世界の話なのでハッピーエンドはあり得ない。
世界観が視聴者をどれほど食らい尽くすかが、そのまま作品の価値となる。
この作品の特徴は、
◇劇画チックなガンアクション
◇物語を縫う会話劇
◇ただならぬ登場人物の暗さと深さ
とハリウッド映画っぽいと言えば分かりやすいかな。
戦闘はリアル系、と思いきや走行中の船から船に飛び乗ったり、弾幕の中かすりもしなかったりする。
海外の感想まとめサイトを見るのが好きで、そこでもリアル系、ぶっ飛び系論争があり「ハリウッド映画の様なものだからリアルを突き詰めるのは論外」みたいなコメがあり、うまい表現だなその通りだな、って思った。
リアル系を望むと拍子抜けする、ぶっ飛び系のとんでもバトルと言うには超能力もカメハメ波もない。1クールでアクション映画を3,4回観ているような感じ。
そんな心構えはいらないけど、観ていてリアルだのぶっ飛んでるで一喜一憂しているともったいない。
良いところを3つ挙げると、
○ハリウッド映画っぽいガンアクションと会話劇
○魅力的な登場人物たち
○ロックの加入による化学変化、ロックの成長、レヴィの変化
かな。
ただ淡々と仕事をこなすだけではなく、少しずつ物語が見えてくる。
だが、底が深すぎて見えるようになったつもりが、より見えなくなる。
ラグーン商会の4人以外も魅力的。バラライカさんやチャンさん、メイドのロベルタ、教会のバアさんやヤンキーシスター。どいつもイカしている。
ダッチもベニーも個性的で特にダッチはチョーイカしたヤツだが、2人とも完結している。
レヴィも同じ類の人間だが、ロックが現れたことによって変化が生まれる。
元々、堅気の世界から飛び込んできたロックは自分の在り方を探しあぐねている。
個では変えられない世界で、ロックがレヴィを歪める。
物語や登場人物を掘り下げる度に、底の暗さと深さがより見えなくなる。
微妙なところを3つ挙げると、
●グロ
●世界はグロ
●ロックの違和感
かな。グロさは個人的には大したことないけど、世界の黒さは直視できないような恐ろしいモノ。感受性が豊かすぎるとツライかも。
ロックは元々異物だから、人によってはウザいかな。オレは好きだけど。
あと、禁煙している人間には最悪かもw 空気のように吸いやがって。
1期の大きな話は、ロックの誘拐、ネオナチ、ロベルタ、ロックの捕虜、の4つかな。
その合間に小話がいくつか入る。
戦闘が完全なリアル系ではないことを述べたが、ときどき状況としておかしなことが起きる。沈没船の空気の話とか。そこら辺は深く考えずスルーしましょ。
シリーズ作品を全体から見た感想を述べると、
やはりこの作品は序章である。ロベルタのぶっ飛び具合は、登場人物の中でも1,2を争うので、ぜひ楽しんでほしい。
最後の話(ケツから1,2話)は若干物足りないかも知れないが、それでもおもしろい。
最終兵器で世界が終わるような理不尽さと派手さはないかも知れないが、
秩序的な一級品のカオスである。{/netabare}