odasasugo さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
数多くの四畳半の中の今の1人の自分に重ね合わせてみて。
ようつべにあったMADに惹かれて観てみた作品。
偶然にも私も4畳半のペースに住んでいます。
最終話を見終えた時、そこには涙ぐむ自分といつも大学でふざけあい、たまに口げんかしながらもいつも一緒にいる友達のかけがいのなさを実感した自分がいました。
例えば今の自分が最終話のように永遠の四畳半世界に迷い込んでしまったとしましょう。そこではいろいろな自分に巡り合えると思います。あの時、あの場所で勇気を出して気になるあいつに声をかけて友達になれた自分、恋人になるはずだった彼女とリア充している自分。それに比べて授業もろくに聞かず、さぼりまくり、一緒に単位を落とし、それを勲章として誇りあうしょうもない悪友たち(小津たち)とつるむ今の自分。望み始めれば今の現状がますます不毛に感じられるかもしれません。けれどもプラスな四畳半が数多くある分、マイナスな四畳半も多くあります。もしそんな悪友にすら出会えなかった自分が今の自分の四畳半をみるといったいどう思うだろうか。私は作中で四畳半世界をさまよい続ける四畳半主義者の「私」を自分の目線で見てみると、今の自分の四畳半が天文学的にも奇跡に近い可能性で構成された四畳半だということに気付くはずです。そんなかけがいのない今の四畳半に不満を抱いていた私はこの作品を観終えたとき運命の黒い糸で結ばれた小津たちや、サークルのあのちょっと厳しい先輩、いきつけのラーメン屋のおにいちゃん、様々な人々が今私の周囲にいる「今」がとてもありがたいように感じました。そしてそんな「今」が自分にとって幸福か不幸かは別として、四畳半世界を旅してきた自分には少なくとも「悪くはない」と今ならはっきりということができます。
小津や城ケ崎先輩、明石さんが身近にいることも決して悪くはないのです(笑)