ギータ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
評価難しいなぁ… とりあえず気になったことを1つだけ
まぁ、これだけの設定のアニメに、さらに料理するのが難しい設定を加えた上で決着をつける、EDをむかえるっていうのは、正直言って無茶だと思うんです。
普通の恋愛ストーリーで、数あるヒロインから一人が選ばれてEDをむかえるってだけでも難しいのに、その中に実の妹も絡んでくるわけですから…ねぇ…
内容はどうであれ、結末がどうであれ、この無茶なとんでも設定を料理しようとし、登場人物1人1人から目を背けずに決着をつけたということに関しては評価したいなぁと思いました。
正直気になるところ、納得いかないところはたくさんありますが、1つだけ絞って述べます。
{netabare}
・結婚について
どうしても結婚じゃなきゃだめなんですか?
結婚について述べたいこと、やりたいことをやった引き換えに、それ以上の犠牲、多くの矛盾と心情のすれ違いが起こってしまったように思います。
兄妹との結婚そのものとか、期間限定とかはまぁいいんですよ。話の前後関係なく、それ単体の問題の場合はですが…
他のヒロインがかわいそうというのもなんとか目をつむれました。京介が期間限定でも桐乃を選ぶという固い決意、桐乃のこれまでの伏線、京介への思いに答えたということで、確かにかわいそうだけど、ひどい物語だとはこの要素では思いませんでした。まぁそれには本当に固い決意があるというのが前提になるのですが…
問題は2人の“本気度”です。
これが見えてこないから、兄妹で結婚はできないとか現実的な話をしているのに、なんというか、おままごとでもやっているかのような感想をもってしまったんですよね。
ていうかもう、恋人ごっこに結婚ごっこですよこれ…
具体的にあげていきます。
○1つ目のシーン
京介が桐乃に求婚「俺と結婚してくれーーー!!!」→桐乃、それに泣きながら頷く
大衆の面前で、大声で言うからには相当の覚悟があるはずなんですよ。実際、今までの京介の行動には覚悟があったように感じます。本心からの行動だったように感じます。
それに当てはめると、本気で結婚を申し込んでると捉えてもおかしくないと思うんです。
ただし結果は…
○2つ目のシーン
桐乃、期間限定の恋人を提案→京介、それに賛成
桐乃がこの案を出そうとした心境、京介が賛成した心境が全く理解できませんでした。
あれだけの告白をした京介に、この提案をしたら、簡単に賛成するということにはならないと思うんです。
でないと、告白が偽りだったような、口から出まかせだったような印象になってしまいます。
京介と桐乃は結婚に対してどこまで本気で考えているのか、2人の共通認識が見えてこないから、噛み合わないまま物語が進んでいるように感じました。
それに加えて、麻奈実なんかは本気で結婚について現実問題として投げかけている、なのに実際は結婚しないという。話の論点が完全にすれ違っています。
それでも桐乃を選ぶという京介の強い決意を描写したかったのだとは思いますが、流石に目をつむる許容を越えてしまいました。
あの喧嘩も「本当は結婚しないよ」でケリがついてしまう、だからか視聴後に茶番だったような印象になってしまいました。桐乃のことを想っているのなら言わないんでしょうけど、それにしても…っていう感じです。
色んな考え、認識のすれ違い、本気度が見えてこないなどの理由から、物語においてかれたというか、勝手に走って行ってしまったような印象でした。
○3つ目のシーン
結婚後、すぐに普通の兄妹に戻ること
今までの積み重ねを全て崩したシーンといっても過言ではありません。
京介も桐乃も互いに誰かと付き合っていることが嫌だという描写をしてきて、他のヒロインたちを犠牲にしてきてまで掴み取った、ここまでたどり着いたはずなのに、それを解消したわけです。
本当にそれでいいのか?と心から思いました。
じゃあこれからは互いが誰を好きになっても、誰と付き合ってもいいんですよね?
あれだけやっておいて、友達に「私達普通の兄妹に戻ったよ」って言えるんですよね?
まぁある程度の犠牲は覚悟しなければならないとは思います。
今回はそれが他のヒロインということでしたが犠牲を払って結果はそれですか…
問題解決につながったとは思えないし、むしろ振り出しに戻った気分でした。
普通の兄妹では済まされないくらいの問題を抱えておきながら、普通の兄妹に戻るって…
1期での人生相談、2期での互いを想いあっている描写が全て無駄になったような印象でした。
また、最後に2人しか映さない、友達との描写をしないのもなんか逃げてるような印象でした。
あれでは今まで通りを望んだ沙織があまりにもかわいそうです。他の人もかわいそうですが。
ああいう2人だけ、誰とも一緒にいない終わり方をするのは、あだち充のみゆきぐらいのことをしてからにしてほしいですね。{/netabare}
実際に伝えたかったことは恐らく違うと思いますが、1,2回見た限りでは少なくとも私は上に書いたような感想をもちました。
それでも、制作側も相当悩んだことは、すごく伝わってきてます。私も、この物語はこう終わればよかった、ここをもっと直してほしかったというのは、他の作品に比べれば全くと言っていいほど浮かんできません。
制作が難しい作品だったということも既に述べました。
良い作品だったとは言い切ることはできませんが、よく終わりをむかえられたという思いは本心です。
それでも、難しいからしゃーないということにはしてほしくないし、今回のチャレンジをこれからのアニメ、ラノベに生かしてほしいなと思いました。