ミロ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
部活モノではなく青春モノ、普通さ平凡さがいい
ちょっと訂正しました
私が今まで見た中で1番の好きな作品で素晴らしい青春群像劇だと思います。その上でこの話は部活を必死でやり抜くという感じではなく、真面目にやりながらも音楽を楽しみつつ学生生活を楽しむという高校生らしさというのが書かれていると思います。なぜ高校生らしいかというとハッキリ言って彼らのやっている事は自己満足にすぎません。別に学校をどうにかしたいとかではなく、ただ自分達のやりたい事をやる!と言うある意味で自己中心的な一直線さこそ高校生という立場でしか出来ない高校生らしさが存分に書かれていたと思います。
やはりこの話の1番の盛り上がり6話の和奏と父母のやり取りからの合唱でしょう。涙なしでは個人的には見れませんでした。やはり家族の事は他人の言葉で簡単に解放されるものではなく、最後は母の愛だとか優しく見守る父親の存在が決め手となっていた事が良かったと思います。
その上で来夏が和奏に優しい言葉をかけたり周りの皆が和奏の事を気にしていてくれた事が無駄にはなっていないところが素晴らしかったです。
私個人の意見としては最終回の盛り上がりも申し分ない出来だと思います。
確かに6話が1番の盛り上がりであることは間違いないのですが、そこからどう向かって行くのかという事が丁寧に書かれていたので尻すぼみだと6話のハードルを越えられなかったとかそういう事ではないと言いたいのです。
あと廃校は突然すぎるという意見も散見されますが、私としてはあまり気になりませんでした。
というのも世の中には普通ならば信じられないというような理不尽な事が起こりうるからです。
主人公が理不尽な事をしつつも讃えられるなんて事はあってはいけませんが、この話では理不尽を受け止めつつ、自分のできる事を探すというところが素晴らしいと思います。
特に白祭が中止になり皆がやる気を無くしている所に初めは皆とあえて距離を取っていた和奏が逆に今度は皆をまとめるという所が話としても肝となるところですし成長が読み取れ感動できるシーンだと思います。
というわけで廃校の話に関しては気にならずいい最終回だったのですが一つだけ不満があるのが7-8話です。
ここでは紗羽が騎手になりたいという夢が叶わないかもしれないと悩むお話ですが、夢なのに競馬学校に入るための条件に気付いていないというのは、あまりにも現実を見れてなさすぎるんではないかというところ。
そして父親が電話で競馬学校の職員に激昂するところでは、普段冷静な父が取り乱して怒るほど娘の事を溺愛している。という所を表現したかったのでしょうが、あれではモンスターペアレントと変わらないのではないかと思ってしまうので娘を思う気持ちをもっと他の表現で示す事が出来なかったのかなとは思います。
しかし、不満はそれぐらいであって、綺麗に締めくくり非常に爽やかな内容だったと思います。まだ見ていない人には是非オススメしたい作品です!