りく さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
主に結末についての感想
原作既読。結末を知った上での視聴です。
楽しんで観てはいましたが、これほどの人気作をなぜ1クール+3話でまとめようとしたのか疑問です。結構カットされている部分があるので、2クール使ってオリジナルなんかも交えつつ、じっくりやってほしかったという気持ちはありますねー。
2期ではハーレムな恋愛作品へと移行しましたが、私はどちらかというと初期のファミリーコメディっぽい作風の方が好みでした。笑いを挟みつつもドロドロと重たい展開になってましたよね(´・ω・`)
好きなヒロインはあやせだったのでヒロイン戦争については諦めていたんですが、「まあ黒猫になるんだろうなー」と軽く考えていたので桐乃ENDにはビックリでした。家族公認だった黒猫や麻奈実が選ばれないとは……恐ろしや。
最初からこういう結末にするつもりだったのか途中で進路変更したのかは分かりませんが、個人的には兄弟愛の範疇にとどめた家族作品の方が良かったなぁ。
そちらの方が明確なハッピーエンドにすることができるでしょうし、キャラクターたちの成長を見守れたのではないかなと思います。禁断愛だとどうしても、自分たちの我儘を押し通すという形になってしまうので……。
禁断の愛を描くのならば、世間の目や親の説得など社会的な問題についてちゃんと向き合い、乗り越えていくところを描いてほしかった。「自分たちは異常だ、気持ち悪い」「兄妹では結婚できない」と繰り返し主張してはいましたが、妥協案で物語の幕を閉じてしまいましたよね。
京介は「俺はエロゲの諸先輩たちのようなことはできない(極力したくない)」と言っていましたが、「いやいや、お前どう考えてもそっち側でしょ」と言いたいw
現実的な側面を中途半端に組み込んだせいで後味が悪いです。そういったリアルな要素は深く考えず、ノリと勢いと大人の都合でサクッと乗り越えるのか、妥協することなくちゃんと向き合った過程と結末をしっかりと描いていくのか、はっきりした方がいいと思います。
本人たちは時期限定の恋人という形で満足しちゃってましたが、やっぱり一視聴者としては、できる限り主人公とヒロインには幸せになってほしいんですよね。この終わり方だと、今後京介も桐乃も誰とも付き合うことなく、互いを正式なパートナーとして幸せになることもできずに生きていくしかなくなったのでは……。最後にちゅーしてましたけど^^;
これでけじめをつけたということにして、これからは(ものすごく仲が良い)普通の兄妹に戻り、別々の相手を見つけていくということなんでしょうか? うーん、こいつら絶対できない気がしますw
すごくありがちですが、エピローグで10年後とかに飛んで、
「俺たちはもう子供じゃない。桐乃の手を取って、二人で生きていくことができる」
くらいやっちゃっても良かったんじゃないかな。なんか切ない(´・ω・`)
禁断愛という点でもう一つ。私はこれまでアニメやラノベでたくさんの妹キャラを見てきて、気に入るキャラも結構いたんです。
が、桐乃には妙な生々しさがあって、今作については兄妹での恋愛という点に嫌悪感を抱きました。妹キャラっていうのは、ある程度過剰な記号化・理想化がなされないと気持ち悪いんだなーと初めて感じました。
単にぶっ飛んだセリフが多かったせいかもしれませんがw
主な不満点としては、あやせ・麻奈実との今後の関係性が描かれずじまいだったこと、14~16話のテンポが速すぎ&軽めだったこと、の2つでしょうか。
あとまあ、(未アニメ化部分のネタバレ注意→){netabare}あやせにエロ本見つかる展開がカットされたり、京介のぱんつを脱がそうとするあやせがカットされたり、あやせとのお買い物デート&「エッチまでしたのにふざけないでください」発言{/netabare}がカットされたこととか、ですかね。
本筋に関係ないとはいえ、あやせ関連カット多いよ……(´;ω;`)ウッ
あやせ好きな人は最終巻だけでも原作読んでみてください。振られちゃいますけど^^;
後半の作風転換やなんとなくモヤモヤする結末など、納得がいかない部分もありますが、1期2期を通してかなり楽しかったと言える作品です。
原作者・アニメスタッフの皆さん、お疲れさまでした!