退会済のユーザー さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
おかあさんの唄
細田守監督の長編アニメーション映画4作目。とはいっても実質3作目というのかな、一つはワンピースだし。ほかの2作は「時をかける少女」と「サマーウォーズ」いずれも名作ですよね。その実績から今作も期待してしまうのも仕方ないことです。
他2作とは否が応でも比較してしまいますよね。上記2作は、大人もいましたが主役は学生で物語に大きな展開や爽やかさがあったのに対し、今作はタイトルこそ雨と雪と題されていますが、実際は母親の奮闘記と私は感じました。また、上記2作に見られた大きな展開、爽やかさは見られません。
物語の始まりが狼男と花(母親)の恋愛から始まるのですが、ここは割かしあっさり。また、子供が生まれるわけですから嫌な想像もしてしまいますよね。実際に描写があるわけですし。ただ狼男が物語に殺された気がするのは、しょうがないですね。あくまで母親一人で。そこをもう少し説得力が欲しかったかな。
それからは、ひたすら母親の苦労、奮闘ぶりを見るわけです。狼の子供を育てるというのはどういうことなのか、そして視聴者は母親のメンタルを知ることになるのかもしれません。ここをどうとらえるのかがこの作品を良いと思えるかどうかの分かれ目ですよね。僕はあまりの強メンタルぶりに、全然感情移入できませんでした。
また、あくまで現実的にということだったのか物語の締めもインパクトに欠けます。子ども二人に関しても疑問点はぬぐえませんでしたし、なんで母親は最終的には一人ぼっちにさせられたのか。子育ては終わりました、というのを印象づけたかったのかな。僕は、単純に寂しい終わり方だなっという感想を持ってしまいましたが。雪と花で二人で食事やなんやらしてる時に、雨の鳴き声が聞こえてとかでもよかったんじゃないのか。
最後に良い作品とは思いましたが、やっぱり狼の子供ということや母親の強メンタルぶり、終わり方などからあまり後味が良い作品とは思えないというのが、僕の率直な感想です。その辺が、前作や前々作とは違うところだと思います。設定をすんなり受け入れられるのかどうかで、この作品の評価は変わってくるでしょう。