三崎鳴 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
アクションシーンは目を見張る出来栄え それ以外は…
川はじめ作漫画作品「喰霊」を原作とするアニメ作品。アニメでは原作の過去の世界が舞台となった。キャッチコピーは「愛する者を、愛を信じて殺せるか」。以下にあらすじを紹介。
突如首都高速を襲った大規模な火災に駆けつけた消防隊。しかし原因がわからず消火活動のみに徹する。その原因は人間に仇なす敵である悪霊だった。悪霊の引き起こす霊的現象に対抗すべく防衛省に設立された超自然災害対策本部特殊戦術隊。特に第四課は特殊な機械を用いないと視認出来ない悪霊を直接視認できる、先頭に長けた部隊だ。無事第四課の活躍により殲滅された悪霊、これからも彼らの戦いは続いていく・・・わけではなかった。
放送事前のアニメ紹介では「防衛省超自然災害対策本部特殊戦術隊第四課の観世トオルを中心としてシナリオが展開されていく。」と制作側から明かされていたが第四課のメンバーは第一話で全滅する。衝撃の第一話に引き続き第二話を迎えても話の内容は未だ掴みにくい。よって実質的に三話から話が展開する。二人の少女の絆と悪霊との戦闘の二つを軸に展開した本作だが個人的にはいくつかの不満点/欠点が目に付いた。まず第一に心理描写においてのアプローチが少ないため後の行動が薄く見える,次点として悪霊との戦闘においてのグロテスクな描写のインパクトに頼りすぎている。又、部分部分で台詞や描写が本作のコンセプトに沿わないものが目に付く。最終話付近の展開はそこまで印象に残るようなものでは無い為やはり一話/二話の衝撃だけが一人歩きしたような印象を受ける。総合的に見てテーマ自体は悪くないが演出がそこを引き出すことが出来なかった,といった評価となる。ただしアクションシーンのレベルは高い為アクション好きなら視聴してみてもいいかもしれない。逆にグロテスクな描写が苦手、バッドエンドが嫌いな人には勧めにくい。視聴者の評価は高めだが個人的には佳作どまりなので少し過大評価では?と感じてしまった。