くろゆき* さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
やっぱ島根にパソコンなんかあるワケないじゃん!!
デジモンファンだけでなく多くの映像関係者が絶賛し、同時上映のワンピースのファンをも虜にしたなど、数々の金字塔を打ち立てた作品ですが、それも十分うなずける内容でした。
戦闘描写は日本製アニメの枠を越えて、実験的な表現があったりして大変興味深かったし、善意のメールがかえって足を引っ張ってしまう、という展開、そしてオメガモンへの進化シーンはまさに鳥肌モノでした。「きたきたきたー!」って感じで。また、オメガモンに進化したからといって、こちらが完全に優位に立つわけでなく、レスポンスの差でディアボロモンの方にまだ分がある…というのも凝っていました。それで、そいつを倒すために役に立ったのは、あの大量のメール…という具合に、伏線の張り方もすごい!としか言いようがありません。
また、この作品は後半、「時間」が一つのキーになってくるのですが、緊迫した状況の子供たちと、何も知らない市民たちとの対比により臨場感が増します。しかも、実際の時間とリンクしているという芸の細かさで、バッドエンドにならないとわかっていても、思わず手に汗握ってしまいました。どうなるかわかっていても乗せられる。これぞ匠の業です。
はっきり言って、とても40分の小品と思えないほどの密度の高さでした。
ただ、無駄を極力省いた構成のため仕方ないことですが、子供たちの出番が非常にかたよっています。活躍しているのは太一やヤマト、光子朗くらいしかいないのが気になりましたが、斬新かつ緻密な構成にただただ唸らされてしまう傑作です。