だわさ さんの感想・評価
3.5
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 1.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
魍魎の曖昧さに惹かれるのは、「わびさび」同様、日本人の奥ゆかしくも曖昧な社会文化性のもとに素養が形成されているんじゃまいか
13話
京極夏彦伝奇小説
百鬼夜行シリーズ原作
なんだこの雰囲気に似つかわしくないOPは(・`ω´・;)
OPに違和感あるのは耳にしていたので覚悟してたつもりが案の定。
だが内容は本当に面白かった。
「キャラ紹介・事件・時代背景・伏線・考察」
序盤はこれらを一気に同時進行させるので構成的に少々とっつきにくい部分があるが、
5話、6話くらいから、ばらまかれていた設定や伏線のひとつひとつが結び付けられていく。
そして中禅寺秋彦が「謎は全て解けた!」と言わんばかりに話を一本にまとめていく。
まったくもって、どこの金田一少年ですか?という勢い。
充分これで通常の伝奇ミステリーとして楽しめるコンテンツだと思う。
しかし、この物語はこれだけにとどまらない。
むしろ真骨頂は他に用意されていると受け取った。
魍魎とは何か。
これが一連の事件を通してひとつのテーマとされているが、
作中では実に曖昧な表現で狡猾にグレーゾーンとして扱っている。
この曖昧さを利用して人とは何かを訴えている。
↑これがこの作品のミソ。
物理的に人を突き詰めたら何であるか。
定義的に人を突き詰めたら何であるか。
壮絶な最終展開に乗じて
これらの対比を暗示しているところが、
レビューの冒頭で面白かったと言う所以である。
原作小説の方の面白さはさぞかしものすごかっただろうね。
ぜひどうぞー。