じぇりー さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 1.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
後半尻すぼみ…
物語の設定は成分にもあるように「理不尽」ではありますが、そこがこの物語の核であり、15人の少年少女がいかにして、その「理不尽」に向き合っていくか…ということが、この物語における「理不尽」に対する数少ない「救い」の部分であり、アニメが視聴者に向けるメッセージとして大きな役割を果たすべきなのではないかと個人的には思います。
でなければ、ただただ残酷なだけのお話で終わりますから…
ただ、24話で15人全員分のエピソードを盛り込むのはボリュームとして難しかったのでしょうか。中盤以降の少年少女たちのエピソード・心理描写があまりにも短く・浅く、戦闘シーンもやけにあっさりしすぎていました。
原作未読ですが、この中盤あたりで原作にアニメが追いついたため、アニメオリジナルのエピソードになった…とのことです。なるほど、そう考えると、確かにそこを分岐に急にテイストが変わったな…と悲しいかな納得できてしまいました。
{netabare}政治経済、軍事、果ては極道…といった大人たちの世界の描写でほぼ丸々1話を割くという回もあり、今まさに「理不尽」な状況下に置かれている子供たちのシーンはどこへやら…。
では、この大人たちの取る行動がストーリー・果ては子供たちの運命を大きく左右するのかといえば大してそうでもなく一体何のために、これにこれだけのボリュームを割いてしまったのだろうと、首を傾げずにはいられません。
前半の子供たちのエピソードがしっかりと丁寧に描かれていただけに(ただその時点で、このペースで最終話までに15人分描ききれるのかという危惧はありましたが…)、物語の運びそのものには不満はないものの、後半の描き方に残念さの残る作品でした。
特に、子供たちの口から出る苦しみ・葛藤・決意の先に出る言葉が前半の子供と、後半の子供とでは、まるで深みが違うように感じました。
後半のセリフは大人達のものも含め、とても薄っぺらく聞こえてしまい、心に響いてきませんでした。{/netabare}
これは、ブログ炎上にまで及んだ監督の「原作嫌い」発言から考えて、作り手側のこの作品への思い入れのなさから生じたもののような気がしてしまいます。あくまで個人的な見解ですので、ご理解ください。
高評価はやはりOP曲の「アンインストール」故なのでしょうか…