yoh123 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
新海最高傑作
宮沢賢治みたいな透き通った美しさを映像表現に持ち込んだ傑作
絵も音もストーリーもどれをとっても溜息が出る程の美しさだ
勿論、前後して春と修羅は100回くらい読んだ^^
バイオリンの弦、波動関数の収束、確率方程式、宇宙の見る夢、
永訣の朝、弓道とスケート、遠き日の想い、塔、眠り、擦れ違い、
BIOS、飛行機、ケロシン、PL外殻爆弾、分かれ道、戦争、覚醒etc…
挙げればキリのない程の要素を浮かべて見事に編んでる
色々イヤになる程だ、嗚呼…
夢から醒めた時に波動関数が収束する様に世界が決まるのかもしれない
私が言い表すと中二病真っ只中もいい所だ、まったく…
ただ確実に言えるのは、何かを選ぶとはそれ以外を捨てるに同じという事だ
良いものは長く人の手に取られる事で其の価値を証明すると言う
だが、淘汰されたものの中にも必ず優れたものはある
バッハもメンデルスゾーンがいなければ歴史の堆積物に埋もれていた
人の紡いだものの多くは人知れず失われており、当然誰もそれを惜しまない
此れは確率の問題でしかなく、失う事を止める事は出来ない
こうすればよかったと思うのは未来の何れかの時であり、そう思われない対象の方が多いのは道理だ
ただ、この作品は戦争や強者の理屈・都合を最前面に出さない
時代背景は当にそれだが、失う事の批判をしてはいない
代わりと言っては何だが、作品の冒頭での賢治の朗読が印象的だ
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまつしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
そして岡部が富澤と東京で飲みながら「時々そういうロマンチックなヤツがいるよなぁ」と言うのも別の意味でも印象的だ