PeachFly さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
狼の化身と人とが織り成す大人向けのアニメ
うん…、タイトルを書いてやはりしみじみと思ったのですが、これはアニメーション作品であっても決してちびっ子向けに作られたものではないと…。 どこがそう思わせるのか…。 それは行商という割と社会的な題材を扱いながら、サスペンスのテイストを含ませ、さらに微妙な恋愛感情も織り交ぜて物語が進行していく点にあると思います。
{netabare}
ホロの言葉使いは人では無い事の強調?
この物語は、狼の化身である少女ホロと、行商のロレンスが、とある約束でホロを生まれ故郷に連れて行くところから始まります。
ホロの話し方は江戸時代のお姫様言葉? 或いは京都の公家言葉をわざわざ使ってあり、この辺りはホロが普通の人ではないことを強調しているのかと。 でも、ロレンスとの話のやり取りがこの軽妙な言葉のタッチと相まっていい感じです。
「わっちの名前はホロ、わっちは神と呼ばれて長いことこの土地に縛られてきたが、神なんてほど偉いもんじゃありんせん…。 わっちはな、大昔この村の青年に頼まれたんじゃ。 この村の麦をよく実らせてくりゃれと… …じゃが、もうだれもわっちを必要としておらん。 必要としてされておるときも誰もがわっちの姿を見て恐れおののき、近ずこうとはせなんだ… …ぬし様、わっちを北の生まれ故郷まで送ってくりゃれ…」
ホロは狼の化身、人の姿になってはいるが頭にぴんと突き出た大きな耳と、ふさふさとした尻尾は狼である証明であり、生き血か麦を口にすると人の姿から元の姿に戻ることが出来ます。 また神とよばれる存在だけあって、狼の時は普通の大きさではなく、見上げるような大きな姿です。 物語の中、何度かロレンスが窮地に陥ったとき、ホロは狼の姿に戻りロレンスを助けています。
物語の時代もフィクションでありながら、概ね中世頃の設定で、通貨もいくつもの種類の金貨・銀貨が主流で、話の中でもいろいろな種類の金貨・銀貨が出てきますが、これらの関係の計算が難しく…^^;; 途中でレート計算の場面もあったのですが、物の価値を感じ取るのに最後まで苦労しました^^;;
商会という地域と地域を結ぶ販売網ができつつある時代、ホロとロレンスは行商を行いながら旅を続けます。
このお話の見所は、一緒に行商の旅を続けるホロとロレンスの軽妙な言葉のやりとり、 ロレンスがホロに寄せる想いとそれを見透かすホロの言動、 またロレンスのことを大事に思うホロの気持ちや狼に戻ったときの大立ち回り、トラブルに巻き込まれた時に二人で力を合わせての解決、等… であり、なかなか見る側を飽きさせない工夫があります。 また話の流れは、各話で一通り完結するエピソードが連なり全体の物語を構成しています。
{/netabare}
ハーレムアニメでもなく、学園ドラマでも恋愛ドラマでもなく、敵を粉砕する超磁力砲も出てきませんが、なんだかほっとする作品でした。
<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 3
0:途中で挫折、
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^