animerDX さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
完璧などない この世界は不完全だ だから美しい
人は何かを得るためには同等の代価が必要となる
これが等価交換の原則であり、世界の真実だと信じていた。この決まり文句とともに始まるナレーションには、何かを訴えるような、そんなメッセージを彷彿させる思いを私は感じました。
人は代価なしに何も得ることはできません。何かを得るためには必ずその出来事となる引き金や原因となる行動、そして努力をしなければ何も始まらないからです。この作品ではこれを「等価交換の原則」と呼び、それが世界の真実だと主人公であるエドやアルは信じていました。
しかし、努力したといっても何もかもがうまくいき、成功して必ず何かを得ることができるとは限らない。いくら代価として努力したとしても、うまくいかないことなんて普通にあります。
「完璧などない。この世界は不完全だ。だから美しい。」
この言葉はこの作品に登場するキャラクターであるロイ・マスタングの台詞です。世界は不完全で、その全てを説明できる原則なんてものは存在しない。未知なものだからこそ、人は努力し、行動し、そして前に進み続けた結果、今の世の中があると思います。
主人公であるエドとアルは旅を続けると共に、その間に会った多くの人々、目や心で見たもの、苦しみ、努力し、体験してきた全てのことに対して、自分の内面の弱さや、葛藤などと向き合いながらも少しずつ大人として成長していく、そんなエピソードの数々が深く描かれている作品です。