ローズ さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
大人の世界は魑魅魍魎……
おとなしい性格の楠本頼子(くすもと よりこ)と美少女で勉強に優れていた柚木加菜子(ゆずき かなこ)は仲が良く夜中に電車のホームにいた所、
加菜子が何者かにホーム下に突き落とされて電車に轢かれてしまう。
偶然居合わせた刑事である木場修太郎(きば しゅうたろう)は病院に付き添い、
加菜子の関係者と「匣(はこ)」のような建物に行くのであった。
様々な文学賞を受賞している京極夏彦さんの著書・百鬼夜行シリーズの第2作目の作品。
自分は原作を読んでいるので結末まで内容を分かっていました。
初見の人にとっては、色々な事件や出来事がこんがらがっているので分かりにくいかもしれません。
数話観て切るともったいない作品なのですが……。
内容の面白さは作者が京極さんという事なので間違いはないでしょう。
(アニメではなく原作本の面白さは保証できます^^)
柚木加菜子殺人未遂事件やバラバラ殺人事件など複数の事件が同時進行しています。
始めの数話は伏線だと思うかもしれません。
最後のほうにならないと事件の顛末や結末が分からない事になっています。
元々が推理小説なので、仕方が無いと我慢してもらうしかありません。
正直な所、アニメでは原作の再現ができていません。
京極さんの百鬼夜行シリーズの本は通称・レンガ本と言われているように分厚くできています。
舞台の設定や発言内容などを一字一句同じにして欲しいとまでは言いませんが、かなり省略しています。
『魍魎の匣』は百鬼夜行シリーズの2作目です。
1作目の『姑獲鳥の夏』を読んでいないと人物の性格や時代設定などが分からない所が多々あります。
何故、順番通りにアニメ化しなかったのかは疑問に感じます。
自分は京極作品の映像化は無理だと思っていました。
しかし、実写映画や本作品のようなアニメ化など映像化されています。
確かに原作は売れているので映像化しても売り上げが計算できるのでしょうが、映像化作品で満足できる内容だとは思えないです。
自分だけの感覚かもしれませんが^^;
一番映像化しやすいのは百鬼夜行シリーズのスピンオフ作品である榎木津礼二郎の探偵物だと思っていました。
「ルー=ガルー」がアニメ化されているみたいですが、自分は まだ未見です。
「おせちもいいけどカレーもね!」ではなく「アニメもいいけど原作本もね!」という季節感あふれる懐かしい例えを使って筆を置きたいと思います。