しゅりー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
初期BONESのアニメ
誰もおぼえていない、と言うよりは意識するようなアニメじゃないでしょうけど
今日がある意味で第1楽章「首都侵攻」の日なのでこっそりレビューを更新します。
劇中の年代まで2015年で「新世紀エヴァンゲリオン」と被っているあたり
かなり意識して制作されたのではと思います。
※ちなみに関連書籍で出渕裕さんと庵野秀明さんが対談していたりします。
BONESオリジナルと言える作品としては「機巧奇傳ヒヲウ戦記」に次いで2作品目。
簡単にイメージを述べるならSFとロボットとラブストーリーを
ムー大陸やマヤカレンダーの要素でないまぜにしたよくあるパターンの何かです。
「勇者ライディーン」のオマージュと公言されている他、
SF作品や日本特撮などのオマージュもちりばめられていて
その手のジャンルにご興味のある方ならニヤニヤしながら視聴できるかもしれません。
まあ上記のような要素にご興味無ければ基本的に忘れさられた迷作と言って差支えないアニメです。
どこかで見たような設定やわかりづらい世界観、イライラしそうな人物描写、
度々作画が「あれ?」となったりと色々な部分であまりおススメできる作品ではないと思います。
それでも個人的には伏線の張り方が本当に好きで、1話、2話だけ眺めても時計の時刻表示や
電話をかける綾人の周囲の風景の描かれ方など色々と妄想が捗る絵が多いと感じます。
そのあたりは以前レビューを投稿した時と気持ちは変わっていないですね。
あとは橋本一子さんの多彩な音楽やベテラン声優陣の名演と
デビュー当時の下野紘さんの初々しい演技など
耳で楽しむ分にはなかなかなアニメではないかと思います。
どうでもいい話ですが放送当時、出身高校の吹奏楽部の定期演奏会などで
よく「歌劇 「イーゴリ公」 だったん人の踊り」を聴いていたことが
「ラーゼフォン」に思い入れが強い一因なのかもしれません。
最後に、ご興味ある方には神林長平さんによる
ノベライズ「ラーゼフォン 時間調律師」をおススメします。
いつも通りの「フムン」が楽しめます。
以下2011/06/23投稿時のレビュー
{netabare}
後に「交響詩篇エウレカセブン」や新旧「鋼の錬金術師」を
手掛けることになるBONESが制作したロボットアニメです。
放送開始当初は夕方4時頃に放送していて、後に深夜枠に移動した珍しいアニメでした。
自分は本作で初めて深夜アニメを視聴するようになりました。
エヴァを彷彿とさせる難解な世界観とストーリーから
とても好みが分かれる作品ですが、
裏を返せばそれだけ秀でた演出があったとも言えます。
個人的には絵画やラムネ、手袋や車のワイパー、風鈴など、
特定の小物や舞台装置を使った各キャラクターの心理描写が印象的でした。
絵の構図や伏線の張り方に独特な部分があり、
2度、3度と視聴することによって深みが出てくるように感じます。
本編が終了してED「夢の卵」が流れる頃には毎回魂が半分抜けたような気分になってましたw
とても評価の難しいアニメではありますが、
世界観を気に入ることが出来れば見て損はないと思います。
{/netabare}