シェリー さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
雨のち雨
新海誠さんの監督作品です。
あいかわらず空、雨、電車が綺麗に描けていました。
靴職人を未来に見ながら高校に通うたかお。
雨の日だけは決まって午前の授業をさぼって新宿御苑に行き
いつもの屋根付きの九の字に折れた4人がけのベンチに座り靴のデザインを考えていた。
その日も朝から雨が降っていた。
もしかしたらこの雨は何百年も前からこの日に降ることが決まっていたかもしれない。そう感じさせる雨だった。
彼は下りるはずの駅を飛ばしまっすぐ新宿御苑へ向かった。
傘を差しながら公園に足を踏み入れ自分の場所へと歩を進める。
するとそこに、いつもひとりだった場所に1人の女性がいた。
20代後半のショートカットで体の細い綺麗な女性だった。
彼女はスーツを着ていて缶ビールを2本ほど空けていた。
おそらく自分と同じくなにかをさぼってきたのだろうと思いつつ少し距離を置いて座った。
それからというものの雨の日には必ず彼女に逢い、少しずつ会話が増えていきだんだんと雨を望むようになっていった。
それに応えるように六月の雨は長引き、風はおおきく帆をなびかせた。
しかし、たかおはひょんなことから彼女の口からは語られることのない深刻な実態を知ることになる。
それは彼らにとって大きなことで関係を歪ませるほどのものだった。
初めから叶わぬ想いだったのか、それならどこかに救いがあるのか。
たかおは彼女と、自分にどういう結末を望むのか。
雨の景色を非常に上手く使っていました。
とにかく映像が全体的に綺麗でした。
一度鳥を追いかけるようなカメラワークで時計塔だかビルだかを
上昇しながらぐるっと回るシーンに鳥肌が立ちました。
しっとりとたっぷりと雨が降ることがとても印象的で落ち着いた雰囲気の映画でした。
{netabare}
とは言いつつも最後の告白シーンは情熱的でしたね。
でも僕は徹頭徹尾温度が変わらずあって欲しかったです。
ああいうシーンは過去にたくさん描かれているから違ったものが観たかったのが本音です。
足を測るシーンはドキドキしましたね。
すごく心をくすぐられました。
お互い清純なのに、いやだからこそなのか
触れることさえも敷居の高さというか、越えてしまう一線があるような気がしました。
あの場面はすごく上手かったです。
映画が終わった後の
「実際には新宿御苑では飲酒が禁止されています。」のテロップには笑いました。
{/netabare}