にゃっき♪ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
the power of music
1,000万人規模の居住民を乗せて航海を続ける移民船団フロンティアが、謎の宇宙生物であるバジュラに襲われ、人類とバジュラの戦いが始まります。
CGを多用した戦闘は動きが凄まじく、ロボットバトルとしての水準を越えていると思いますが、歌がバジュラに影響を与える強力な武器になる設定で、戦闘そのものにあまり緊迫感は感じられませんでした。プラモデルの販促がどの程度重要なのかはわかりませんが、戦闘機が変形してロボットになるガウォークをかっこいいと思える世代は小さなお友達ぐらいのように思えます。
パイロットの主人公、早乙女アルトと、銀河の歌姫シェリル・ノーム、シェリルに憧れる歌手志望のランカ・リーの二人のヒロインによる三角関係を中心にすれ違いやら誤解を描く恋愛ドラマでもあるのですが、三人とも軍人や歌手でありながら学生で、軍を民間会社にするなど無理にでも学園ものにしている感は否めません。
歌舞伎の伝説的な女形と言われている過去や容姿を嫌っているのに、ロン毛の髪型のアルトを好きになれるなら楽しめる作品なのでしょう。たとえばアルトが角刈りであれば、かなり印象が違っていたようにも思えますが、それではただの脳筋の戦闘マニアにしか見えなくなるかもしれませんね。
ランカは一般公募で選ばれた事もあり、声優として褒められたものではないですし、シェリルも言動に唐突なところがあり、私はあまり魅力を感じられませんでした。やりたい事がたくさんあり過ぎてテーマを絞りきれない印象が残り、映画版を意識しているのか終わり方もまとまりがありません。OPEDを含め、音楽は申し分ない出来映えだと感じましたが、物語そのものが歌を見せるためにあるようにも思えました。現実の戦争が歌によって回避できるなら素晴らしい事と思いますが、歌そのものが兵器になる事には、私はあまり共感できません。