退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
見上げればそこに宇宙
【個人的殿堂入り作品】
宇宙は常に身近だった。
『ヤマト』で宇宙に目覚め、『999』で宇宙に憧れ、『ガンダム』で宇宙に住みたいと思った。
正義と自由の名のもとに大宇宙を駆け巡るハーロックに本気で憧れもした。
当時の愛読書は創刊されたばかりの『ニュートン』。
そんな宇宙に夢を抱いた少年はいつしか中年のオッサンになった。
しかし今でも当時の気持ちを忘れてはいない。
『はやぶさ』や『キュリオシティ』のニュースに心が躍る。
ふと見上げればそこに宇宙。
太陽が眩しくて目を閉じる。
頭の中に広がる宇宙はまだ見ぬ未来、2075年。
使い捨てられた人工衛星。
シャトルが切り離したタンク。
ステーション建造時に出た廃棄物。
宇宙に浮かぶ無数のごみ・スペースデブリは実はとても危険な存在。
これは宇宙のゴミが問題になった時代の物語。
現在既に問題化している宇宙のゴミを拾う個性的な面々。
実は彼らは一流企業の不採算部門に属するサラリーマン。
だから宇宙に寄せる夢や希望の前に会社人としての現実が立ちはだかる。
しかしそれでも自分の仕事にプライドを持ち、理想を追い続ける姿に胸が熱くなる。
ストーリーは彼らが直面する身近な問題を通して宇宙に住み、働く人たちの想いが語られる。
登場人物たちが宇宙やそこでの生活、仕事などをどう思っているかがとても興味深い。
そしてそれらをベースに徐々に宇宙開発が生み出す格差問題や開発の是非が問われていく。
人は何故宇宙に出て行くのか?
資源獲得の為?競争心から?それとも単なる冒険心から?
結論がひとつに収束することはないと思う。
しかし私はこの作品からひとつの答えを得ることが出来た。
『地球上だって宇宙の一部、そして突き詰めれば人間だって宇宙の一部』
自分と繋がっている物だからこそもっと良く知りたい。
私の宇宙への憧れの原点はきっとそこにある。
そして人間同士だけでなく、人間と宇宙を繋いでいるものも『愛』なのだ。
見上げればそこに宇宙。
私はやっぱり宇宙が好きだ。
これからもずっと・・・。
{netabare}【各話評価:平均7.26点】
1→26
神神☆☆◎○☆☆☆神神神☆☆☆☆☆神☆神☆☆☆神☆神
【神回】
第1話「大気の外で」
新社会人が宇宙に抱いていた幻想を打ち破る会社人としての現実。
第2話「夢のような」
一歩間違えれば大事故につながるデブリ回収という仕事の難しさ。
第10話「屑星の空」
コンパス、そして私の愛は生きている。
第11話「バウンダリー・ライン」
小国には宇宙開発の恩恵だけでなく参入の機会さえも与えられないという現実。
第12話「ささやかなる願いを」
宇宙防衛戦線のテロをフィーの喫煙衝動と絡めて描く面白い回。
第18話「デブリ課、最期の日」
普段は何の役にも立っていないだけに課長とラビィの格好良さが際立つ!
第20話「ためらいがちの」
死んでも木星に行きたい!命懸けの閉鎖環境試験。
第24話「愛」
テロで実利を得る首謀者、切り捨てられる末端、そして巻き込まれた人々の選択。
第26話「そして巡りあう日々」
とても幸せな気分になれる最良の最終回。{/netabare}