chofu3 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こんな青春ラブコメはあっている
頭はきれるが卑屈でボッチな主人公、何でもできるが周りに嫉妬され辟易しているヒロイン、明るく元気だが周りに合わせて居場所を求めているヒロイン、この3人の登場人物を中心に描かれた学園ラブコメです。毎回『奉仕部』に寄せられた依頼を解決していくことをメインのストーリー展開とし、そこで起こった出来事や各キャラクターとの関わりを描く作品です。一人ぼっちであること、人気者であること、人気者と共にいたいこと、中心人物でありたいと願うこと、そんな他人との人間関係をメインテーマに据えていると感じました。
この作品の最大の魅力はキャラクターにあると感じました。過去の経験からぼっちであることにむしろ誇りを感じているような主人公の人間観察力がすさまじいです。周りを円滑とするために、物事を解決するために自らがあえて悪役となる。それを自分では良しと感じながらもどこか寂しさや公開を感じさせる部分に非常に人間くさい部分を感じました。また、2人のヒロインもかたや何でもできるがゆえに孤独を感じていること、かたや周りに合わせすぎることで自分出せないことを悩んでいること、その2人が出会い、また主人公と出会っていくことで他人を頼ること、自分の意見を貫き通すことそういった大切さを学んでいくところが見ていてほほえましかったです。サブキャラクターもそれぞれ特徴的であり、またその特徴を活かしたストーリー展開も非常に見ごたえがありました。
ストーリーは王道?の学園物でしたね。学園生活で起こりうるイベントや悩み(部活や恋愛など)を中心に描かれています。そこに起こりうる人間関係を常識的に良しとされていることを肯定しつつも否定し、斜め上からの、しかしどこか納得させられるような解決法で解決していく感じです。物事の見方は1つではないなと感じさせられました。ラブ要素は少し控えめかな?個人的にはこのぐらいのバランスの方が見やすくうまくまとまっているのではないかと感じました。ラストの文化祭関係のエピソードは、実行委員会という裏方の仕事をメインに据え、学生ならではの事項でありながらも、楽をすることで後で後悔することやできる人に対する嫉妬の感情などを描きつつも、文化祭の華々しさや楽しさを明るく描いているので非常に見ごたえがありました。
1つ残念だと感じたことは、伏線があっさり回収されてしまうこと、また回収されずに放置されたままであったことです。事故の件とかメインヒロインの過去のことなど、消化不良な部分があり、残念でした。まぁ、放送クールの問題もあると思うのでこの辺りは次回作に期待したいですね。
総評としましては、とても深いテーマを感じさせつつもあっさり楽しく見させてくれる学園ラブコメでした。各キャラクターが今後の学園生活をどのように過ごしていくかをもっともっと見たいです。ラストもいつも通りに終わったので、まだまだ続くものだと思っていました。次回作も是非期待します。