coldikaros さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
基本に忠実に
アニメとか映画、文学もそうですが、これらの作品で人の心を大きく揺さぶる基本的なテクニックがあります。
単純なことですが、上げてから落とすことです。つまり、幸せから、地獄のどん底まで落とすことです。
これによって振り返ることのできる幸せな過去ができ、さらには展開の先でその過去に這い上がってきたり、それを超越することで大きなカタルシスを生み出すことができます。
この作品は基本に忠実にその手法を積極的に使い、まぁ多用しすぎた感もありますが、物語を展開させています。
正直何度も絶望でうなだれました^^;
この作品が地味に高い評価を受けているのは、おそらくそのオーソドックスさに起因しているところが大きいでしょう。
この作品は大まかに見てしまえば、お姫様と忠義の騎士のファンタジーと言えます。
これに加えて、その二人の人物に関わった人物や、振り回されることになる不特定多数の者たちの様々な意味での変化を気合をいれてしっかり描写しているため、胸糞悪くも親近感の持てる話になっています。
絵柄と一話目のテンションで勘違いしそうですが、子供向けという感じではありません。子供にはトラウマになるぐらいの描写がかなりあります。
かなり目を引くシーンがありますので、そういうシーンで人目を集めていると言われると、正直反論のしようがありません^^;
そういう考えもおそらくあったでしょう。
とはいえ、シナリオ・音楽ともにクオリティが高く、評価されるに値するとは個人的には思っています。
ファンタジーの王道通りに、この作品のテーマは勇気と愛です。
王道っていうのは面白いから王道ですよね、やっぱり。
ファンタジーですから、多少のご都合主義はあります。評価が分かれるのはそこでしょう。
そういうのを潰すように丁寧に作られていますから、一つのご都合主義が妙に目につくと思います。
こういうのはかなり難しい所ですよね^^;
まぁ少なくとも自分は、また他人にオススメできるアニメが一つ増えたと思っています。