Lovin さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見た感じ
レンタルDVDで視聴。原作は未読。ごみ拾いをする話。
主人公は自家用宇宙船の購入を夢見る青年。かつて父親が宇宙船機関士として働いた凄腕のためサラブレッド扱いされるが、本人はデブリ(ごみ)屋から出世できずに苦悩している。宇宙飛行士は孤独であるべきと考えており、木星との間を往復する宇宙船の搭乗員試験も独りで決めてしまい周囲を驚かせる。
ヒロインはデブリ屋の新人で、「愛」という主人公とは全く違う主義を貫いている。それは主人公の考え方に多少なりとも影響を与えるもので、クライマックスではとんでもない事態を起こしてしまう。頑固さは主人公にも負けておらず、二人はよく対立している。
重要なキャラが多くて説明は大変だが、月面で生まれ育ったルナリアンの少女は挙げておきたい。重力の少ない(1/6くらい?)環境で育ったため身長が高く、日々検査を受けているような状態だが、宇宙服を着てこっそり月面を散歩するのを趣味としている、汚れた大人の心を洗い流すような無垢な少女だ。
デブリ屋の中ではヘビースモーカーの宇宙船船長、物静かな船外活動員、派遣社員の経理、課長、係長代理補佐と登場するが、後者三人は原作には登場しないオリジナルキャラらしい。
物語全体でもアニメオリジナルキャラが多いらしいが、主人公の元教官、主人公の同期など、アニメのストーリー上重要なキャラも多く居る。元教官に関しては好きな声優さんで味のある台詞も多くお気に入りのキャラだ。しかしこの声優さんはロイエンタール元帥から音速丸と、シリアスからギャグ丸出しのキャラまで何でも似合う。
設定の着眼点や考証がしっかりされている点がよく、原作を読んだ方にはそうでもないのかもしれないが、名作の部類に入ると思う。社内の派閥争いや宇宙開発途上国の話や、あまり多くは無いが恋愛関係の話など盛り沢山で、それぞれの終着点と新たな目標が見つかる形で最終話を迎える。