Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
あの山の向こう側には何があるのだろう・・・?
この物語の主人公は、中学2年生の春日 高男・・・線が細く本音を中々口にできない性格の持ち主で、趣味は読書・・・所謂普通の中学生です。そんな彼はヒロインの一人でもある佐伯奈々子に密かな思いを寄せていました。
そんなある日、偶然とちょっとした出来心から佐伯さんの体操着を盗んでしまうのですが、その現場をヒロインの仲村 佐和に目撃されていたのです。この目撃をきっかけに主人公と仲村の仲が急接近する事となり・・・物語が動いていきます。
この作品は兎にも角にも主人公の心の葛藤を描いているのですが、この心の葛藤について徹底的に掘り下げて描かれた作品だと思いました。
心の葛藤・・・背徳、恋愛感情、無理な要求、強制、不安、2人のヒロイン、という思春期の中学生ではとても正常な心でいられなくなるような要素が詰め込まれています。少し詰め込みすぎな感はありましたが、心の辛さは視聴していて共感できる部分があったと思います。
それにしても、取り扱うテーマが決して明るくはないのと、「惡の華」というタイトルそのものが気になったのでwikiで少し調べてみました。
著者はシャルル・ボードレールというフランス人の方で、「惡の華」は生前に発表した唯一の詩集のタイトルなのだそうです。
・・・結構波乱万丈の人生を送られた方のようですが、若く美しかった母親がボードレールが6歳の時に再婚した事により「エディプス・コンプレックス」を生涯抱えていた事は衝撃的でした。エディプス・コンプレックスとは、母親を手に入れようと思う事、父親に対して強い対抗心を抱く事に対する心理的抑圧なのだそうです。
これらを勘案すると、作品の取り扱うテーマに対してとてもマッチしたタイトルだったのだと改めて思いました^^;
でも・・・主人公の有事の際における態度のバリエーションが少なかったのは少し残念でした。きちんと伝えないからきちんと伝わらないし、気持ちだけじゃなくちゃんと言葉にしなければいけない時には、勇気ある言動が欲しかったところです。そのため、主人公の器量でヒロインが振り回された感が強かったような気がします。
特に佐伯さん・・・あまりにも可哀想過ぎでした(/_;)
それにしても、あの山の向こう・・・登場人物らは、目標を追いかけているのか、ゴールを目指しているのか・・・ここはもう少し深掘りして描いて欲しかったですね^^;
放送開始直後から色々な話題があり内容も賛否両論の作品ですが、今期放送分は第1部に相当するようです。と、なると第2部も当然放送される事になると思います。
今度はどのような展開になるのか・・・気になっているのですが、今期登場した2人のヒロインの伏線も回収しきれていないので、その辺りもしっかり描かれる事を期待しています♪