ムーネクッニ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2期、いつまでも待っています
いわゆる百合アニメですが、かわいい女の子たちがキラキラした恋愛を繰り広げるものとは少し違うかもしれません。
以下、ネタバレにならないように掻い摘んでコメント。
・物語:
志村貴子さんの漫画が原作で、3巻までがアニメ化されています(現在は完結して全8巻)。各話副題はいろんな文学作品のタイトルからつけられています。おしゃれ。
物語の内容は、神奈川県の鎌倉を舞台とした女子高生同士の恋模様や主人公が自分の初恋を思い出していくというもの。少しですが同性間だけでなく異性間の恋愛もあります。物語の中に転換点はありますが大きな起伏はありません。流れている時間をただただ切り取っていったような作品です。
原作では「その時の心の動き」をダブルミーニングのような言葉や余白などで表現しています。それをアニメなりに解釈しながら視聴者にも余地を残しつつ上手く映像化しています。また、原作ではサラリと描かれていた劇中劇の『星の王子様』がアニメでは掘り下げて描かれていて、大好きなシーンのひとつです。
・声優:
声とキャラのイメージはあっていると思います。ふみちゃんは棒演技ですがむしろいい感じです。(薬物乱用はダメ。ゼッタイ。)
・キャラ:
登場人物は原作より少しクールな感じになっています。主人公は幼馴染同士のふみちゃんとあーちゃんの2人。主にふみちゃんを軸として物語が進んでいきます。
キャラの性的志向は一人ひとりで異なり、一見「レズ」でも一概に「レズ」という訳ではなくしっかりと描き分けられています。
あーちゃんが元気で優しくてかわいい。
・作画:
キャラ、小物、背景全てとても丁寧に描かれています。背景は水彩画のタッチを残していてキャラたちと良く馴染んでいます。鎌倉を旅行したくなります。
・音楽:
OPは空気公団の青い花。「様々な感情で人が成り立っています。怒って言い合いになったり、笑ったり、一緒に喜んだり、泣いたり。その感情ひとつをとってみるより、多角的に見たら、まるで花束の様にとてもきれいなんじゃないかと思います。みんなそれぞれ、ひとつしかない花束を持っていると感じました(空気公団公式HPより)」Vo.山崎ゆかりさん
劇伴は羽毛田丈史さん。ゆったりした曲調のものが多く、時々テレビ番組でも使われているので聴いたことがあるかもしれません。
・まとめ:
原作は愛読漫画のひとつなので原作目線の要領を得ないコメントになってしましました。
まさに「片想いが趣味」なんじゃないかと思うくらい矢印が行ったり来たりしています。内容自体をみればドロドロしたものですが、不快感はありません。一人ひとりに注目してみると、みんな自分勝手だけど純粋です。
派手な作品ではありませんが隠れたコアなファンが多いようで、昔のアニメなどのBD化投票では5位にくい込み、放送4年後にBD化されました。北米版DVDが発売されたり非公式評論集が刊行されたりもしています。
百合アニメ好きだけでなく恋愛アニメ好きにもおすすめの作品です!ぜひ1度手にとってみてはいかがでしょうか。
・余談:
この頃LGBTという言葉が知られてきました。互いがLGBTという言葉に「差別感」も「特別感」も感じなくなった時、互いが互いを本当に受け入れたということだと思います。難しく捉えず、アニメや漫画が知ったり考えたりするきっかけでもいいんじゃないかなーと、個人的には思います。