とすかねり さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
全部過去になる前に見つけに行こう!
原作先行読了
*ストーリー
所謂ライトミステリーである原作小説のアニメ化ということで、基本的には原作準拠です。
原作を読んだことのある方なら分かると思いますが、作品の随所に、推理に必要な情報は正確に織り込まれていて、見る人もフェアに推理できるという点は、ミステリーアニメ作品としては優秀だったと思います。
また、キャッチコピーの「青春は、やさしいだけじゃない。痛い、だけじゃない。ほろ苦い青春群劇」とあるとおり、ノスタルジックな青春を感じられる良作です。
{netabare}
原作からの改変点も若干あり、その良し悪しは好みが分かれるラインかなと思います。
個人的には、最終話の恋愛要素はどちらかといえば良かったと思うのですが、一方で原作の通りに展開して欲しかったという意見もあると思います。
逆に、現在の時代に応じた改変もあります。(元々、原作1巻の初版刊行が2001年なので)例えば、「クドリャフカの順番」の最後、古典部の校了原稿を失わせる際を典型に、里志がスマフォを使用するシーンがありますが、もちろん原作の時期から考えればあり得ません。個人的には、少し昔の時代感というのが好きだったので、少々スマフォの登場は残念な感じもしました。まぁこれも好みの問題ですね(笑)
{/netabare}
山場は3回です。ただ、基本的に原作時系列に応じているため、最後の方が短編集「遠まわりする雛」になってしまい、山場が中盤までに集中してしまっています。
時系列も変える訳にはいかず、痛し痒しですが、ネタバレ内の点も含めて、辛めの☆4.5で。
*作画
作画は、放送当時から非常に高評価でした。
原作の米澤穂信先生の出身地、岐阜県高山市が聖地ということで、地方の美しい風景も背景もしっかり書き込みつつ、ミステリー的な表現、心情描写のメタファーなどが綺麗に描かれていて、高評価の理由は推して知るべしです。
文句なしの☆5
*声優
この作品、京アニの本気が見てとれます。
ホントになんてことないような端役に、超一流でトップクラスの声優をキャスティングしている点は、驚愕します。
京アニという、日本屈指のアニメ制作会社だからこそできる暴れっぷりです。
声優絶対音感が無い方は、視聴後、一度ウィキで確認することをお勧めします!
言うまでもなく☆5
*音楽
OPとEDは全て頭に残る良いメロディです。
個人的には、作中BGMにも注目(?)してほしいです。主人公の精神的な動きが大きいこの作品は、BGMがそれを良く表象しています。
☆5
*キャラ
原作には挿絵が無いため、キャラはアニメ用に書き下ろされたものです。如何にも京アニというキャラデザですが、非常に原作を読んだイメージとマッチするものだったとおもいます。
個々人のキャラ属性やメンタルの動き・成長も素晴らしく、青春作品の正しいキャラクターというイメージです。
これから見る方は、えるたそ病の感染にだけはお気を付け下さい。
ちなみに僕は末期患者です(笑)
☆5
*総括
正直、満点付けるのがアレだったんで、ホントに難癖レベルで☆4.5をストーリーに付けましたが、言うまでもなくほぼ満点といえる作品です。
合わないと感じる方の方が少ないのではないかと思います。
もし見て、合わないと言う人がいるのなら、それがなぜなのか、私、気になります!(笑)
一気に見れる作品だと思います。是非お試しあれ