にゃっき♪ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Brightest Smile in Paris
舞台は19世紀末のパリ。
海を越え長崎から奉公にやってきて、習慣や文化の違いに戸惑いながらも、街の人々との交流を通して徐々にパリに溶け込んでいく湯音(ゆね)の物語です。
全編を優しく心地よい空気が包み込み、健気で前向きで芯の強い湯音は雛人形のようで、頭をさげて「こんにちは」食事の前には手を合わせて「いただきます」といった、ちょっとした日本の習慣がこれほど美しく描かれている作品に出会えただけでも「ごちそうさま」と言いたくなります。
ほとんどが一話完結で、湯音の奉公先の看板店のオーナー兼職人であるクロードと行き違いながらも次第に心を通い合わせていく過程、少しずつ周りの人々に受け入れられていく流れが丁寧に描かれていて、視聴後は毎回、不思議なほど穏やかな気持ちになれました。
ストーリー展開に期待すると、退屈で眠くなるかもしれませんので、強くお薦めはしませんが、初めてチーズを食べた湯音の顔と、彼女が日本から持ってきた梅干しを口に入れたクロードの顔だけでも見て欲しいです。これからご覧になる方は、毎回微妙に変わる着物や、各回のAパートとBパートの間に挿入された湯音と猫が街角で出会う絵の変化も、忘れずにチェックしてくださいね。
それとTV未放送のエピソードで、佐藤順一が脚本を担当した4.5話の「音楽会 (Recital)」が素晴らしい出来映えです。円盤の3巻に収録(レンタル版にも収録)されていますが、全話収録の北米版のDVDボックス(「Croisee in a Foreign Labyrinth」で検索)もお手頃価格なのでお薦めです。