ローズ さんの感想・評価
3.1
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
女性の最終兵器は涙
高校生の ちせ がシュウジに告白して付き合うようになる。
買い物のため出掛けたシュウジ達だったが、いきなり空襲される事となる。
その敵と戦い排除したのは兵器となった ちせ だった。
どんなに屈強な兵士でも死ぬ可能性のある戦地に赴くの事に対しては躊躇い(ためらい)があるでしょう。
普通の高校生を戦地に派遣せざるを得ない状況は異常です。
敵に対抗できる兵器として利用されるのは仕方が無いというのは酷な話です。
命懸けで自分の身内や友人を守りたいという気持ちは古今東西変わりません。
上からの命令で国土を守ると言うのは建前です。
そのような答えをしないと上官からの鉄拳制裁が待ち受けています。
神風特攻隊員の方々も本音を言えない立場で死んでいきました。
自分自身の人間性を失う事は戦場では見られるのでしょう。
本作品のように人間が兵器化するのは、ある意味、象徴的な気がします。
「普通の生活で人を殺したら犯罪者、戦争で人を殺したら英雄」という言葉はよく使われています。
恋愛要素も絡んできます。
人間ではなくなった ちせ を受け入れるかどうかは難しい問題です。
外見は女子高生のままでも中身は兵器だという事をすんなりと理解できないでしょう。
Hなシーンもありますが、人間の本能によっての行動だと考えれば納得できます。
生きる事を実感するには他人の温もりが必要な場合があります。
生きたい・死にたくないという人間の基本的な考えは追い込まれた状況にならないと考える事すらしないかもしれません。
自分たちは安全な場所に居座って、国防軍を作って日本国を守ると言うだけの無責任政治家には理解できない内容でしょう。
そんなに軍隊が好きであるなら政治家の身内を率先して戦地に送り込んでもらいたいです。
もっともらしい事を言うだけで安全が保障されている場所から号令をかけても、命がけで国土・国民を守っている自衛隊員さんの士気は上がりません。
今の日本は若者を犠牲にして老人を守っています。
将来のある若者だけを死ぬ可能性の高い兵士にさせて老人だけが生き残るという歪な政策を正しいと思っているのは、戦争に関心が無かったり、実際に戦地に行かない人だけでしょう。
国防軍に賛成した人だけを戦地に送ってもらいたいですね。
人物の作画は厳しいかもしれませんが、戦争について考える一助になる内容の作品です。
11話から最終話までは少し毛色が違います。
前話まで戦争の悲惨さや残酷さが目立っていましたが、この期間は「愛」に主題が変わっています。
心の底から愛し合っている2人の絆を見る事ができます。
ラストシーンなどは理解しにくいかもしれません。
ただし、愛情を描いた作品としては秀作だと思います。