りんご さんの感想・評価

4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

再び映像化があるならば、お願いだから最初からノーカットでやって。

Ⅱを観たときはⅢを観る気がなくなるくらい鬱になったのですが、
Ⅲはそんなにメンタルやられませんでした。
何故でしょう。

Ⅱのレビューでもカラーになって、より目を当てられなくなると書きましたが、
触のガッツの左腕のシーンはやはり見ていられませんでした。つぶっちゃいました。
あのシーンを描いた方はどんなメンタルをしているのでしょう。
そこを含めたガッツとキャスカとフェムトのシーンはスランの名台詞の通り、
愛　憎悪　苦痛　快楽　生　死　すべてがあそこに…ありました。
描き切れないキャラの心情のせいで、ただのNTRと取られてしまうのはファンとしては嫌なところです。
とはいえ、スラン役がまさか沢城さんだとは。
あの喉が鳴っている感じというか、随所に盛り込まれた低音の色気が素晴らしかったです。

総評として、やはり黒の騎士編の積み重ねの重要さが改めてわかる劇場版でした。
アニメ版のレビューにも書きましたが、確かに一番盛り上がった黄金時代編を映像化するのは
お金になるかもしれないし、今回の劇場版の目的は果たせたかもしれません。
けれどやはり、こんなふうに中途半端に描いてはいけない物語なのです。
でなければ私が切に訴えたい「エロではない」「NTRではない」もっと深くてもっと痛い
この思いが全く伝わらないではないですか。
ベルセルクの作品の魅力が伝わったか、という点では疑問を感じますが、
原作を読んだ個人的な感想としては、許容範囲であり、
今回の劇場版三作はお礼と感謝と労いを送りたいです。

あ、ジュドーの最後の台詞の改変は唯一許せませんでした。
あれはダメ。何故変えたのか納得が行きません！