にゃっき♪ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
if you happen to see the most dangerous girl in the world
タイの架空の犯罪都市ロアナプラが舞台のガンアクション作品です。
教会はあっても神様はずっと留守のようで、シスターまで銃を撃ちまくるのですからたまったものではありません。
日本の商社マンだったロックが、ある事件をきっかけに海賊行為やヤバいブツの運び屋を生業にするラグーン商会のメンバーとして、カネと暴力が支配するシンプルな世界に飛び込むところから物語は始まります。ロックの視点で眺める事になりますので、偽善的な事を口にすることもあるロックに馴染めるかどうかで、作品に対する印象も変わってくるかもしれません。
登場人物は個性豊かな暴力的で歪んだ価値観の持ち主ばかりです。作中人物のダッチに言わせれば「地球上で最もおっかない女の上位3人」であるバラライカ、ロベルタ、レヴィを始め怖いお姉さんもたくさん出てきますが、それぞれが時折見せる優しさや切なさとのギャップだけでも私は充分にこの作品を堪能できました。
良い意味でB級ハリウッド映画のようで、ネタを知らないと笑えないようなジョークも飛び交います。一般人に向かって無差別に銃撃しようとするレヴィに「俺はチャールズ・ホイットマン(テキサスタワー乱射事件で14人を殺害した犯人)を雇った覚えはない」とリーダーのダッチが苦言を呈する台詞は、コメディとシリアスが混在するこの作品を象徴しているように感じました。
人もたくさん殺されますし残酷なシーンもあるので、耐性のない方には視聴はお薦め出来ませんが、まるでキスシーンのようなタバコの火のやりとりなど、心に残るシーンもたくさんあります。温室育ちのロックの奇策が功を奏したり、敵のザコが撃った弾は絶対に命中しないなどのご都合主義に目をつぶれば、かなり楽しめる作品に間違いないと思います。