STONE さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
銃が銃を持つ?
原作は未読。
先に書いておくと、銃器の類はそこそこ好きな方です。
既存の兵器をモチーフに、美少女キャラに転化するというと「ストライクウィッチーズ」を
思い出したりするが、あちらは女の子自体はちゃんと人間であるのに対して、こちらは女の子
自身が銃という設定。
そうなると彼女達が銃を持っているシーンは、「銃が銃を持っているということ?」。考え
出すと訳が分からなくなりそうだが、これは一種のイメージ表現と捉えた方が良さそうで、
あまり設定にこだわらず、頭を柔軟にして見た方が良さそうな感じ。
キャラの容姿、性格が、実際のアサルトライフルの特徴に準じているところが多く、更に
こうした部分が笑いどころにもなっていることが多い。なんだかんだ言って小銃に関する
うんちくはそれなりに身につくのではないかと。
こうした基本設定や日常のドタバタは結構楽しかったのだが、その反面シリアス的要素を含む
キャラ同士の感情のやり取りが随所随所に腑に落ちないことが多かった。「普通、そういった
反応や態度を取るかな?」とか、「何故、そういう気持ちになるんだろう?」とか。
やはりキャラは人間ではないから、人間とは違う考え方をするのか?・・・、多分違うと思う
けど。
最近、美少女キャラとミリタリーという組み合わせの作品が増えてきた感があるが、ここで
問題となるのは日常系のほのぼのさと、ミリタリーにおける殺伐さをどうバランスを取るかと
いうこと。
この辺の考え方は各作品それぞれだけど、この作品に関しては個人的にはあまり上手いとは
思えない。
銃である彼女達の発砲による場合、相手が銃であれ、人であれ、死ぬことはないという設定が
あるようだが、それでも中盤のチーム対抗戦において、ふんこがサコに何発も接射される
シーンや、しぐがサコに頭部を狙撃されるシーンなど、更に終盤の熱海での戦闘で担任の現国が
撃たれるシーンなどはあまり気持ちのいいものではない。
終盤に青錆学園の皆が共産圏の銃に狙われて、熱海を舞台に一大決戦になるが、この展開は
最後に盛り上げようとして、取って付けたような感じで出してきたみたいで、正直「うーん」と
言ったところ。展開自体が中途半端だし、戦う理由もいささか意味不明。
銃器の系譜としては今でも東西の流れみたいなものはあるが、いわゆる国家間の対立としての
東西対立が無くなってしまった現在、東側(旧共産圏)が非情な悪役という設定は古臭い感じ。
この熱海だが、終盤に出てきただけでこの作品全体の舞台でもないのに、妙に熱海の
ディティールに細かかったり、熱海ネタにこだわっているところがなんかおかしい。
イカジョッキまで出てくるとは。