ninfami さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

2013年夏季の1位。

原作未読。鋼の錬金術師で有名な荒川弘さんの漫画が原作のアニメ作品。ハガレンは見たことないので比較はできませんが、この銀の匙にはかなり魅了されましたね。見る前から期待値は高かったのですが、まさかここまで面白いとは････。


北海道に所在する大蝦夷農業高等学校（通称：エゾノー）は、農業・酪農・獣医師などに従事することを目指す農家の子供が多く通う学校であった。

進学校として名高い中学出身でありながら、低偏差値校であるエゾノーに寮があるからという理由で入学した八軒勇吾は、他のエゾノー生徒たちの多くが明確に将来の夢を持つ中、1人だけ何も夢を持っていないことに焦燥を感じ始める。

高校としては日本一の広大な敷地面積を持ち、動物と自然に
囲まれ、1年生の間は全寮制という慣習を持つエゾノーで、八軒の青春の日々が始まる。(Wikipediaより引用)


最初は主人公の八軒がうじうじしていて、主人公らしく無かったのですが、回を重ねるごとに少しずつ成長していく姿がキチンと描かれていて、徐々に主人公らしくなっていきましたね。最初から完璧な主人公とか、全く成長しない主人公とか、やっぱりそんな主人公は例外(カイジなど)を除いてどうしてもつまらない作品に仕上がってしまいますよ。しかし銀の匙はそんなのとは違い、ちゃんと成長物語として出来上がっていました。

それで、この作品の一番のテーマだと思うのは『家畜との向き合い方』です。どんなに人間が愛情を持って育ててあげたとしても、数か月後には食品に加工されてしまう。そんな家畜たちに、人々がどう向き合うのか、そして八軒はどう向き合うのか、という少し重苦しいテーマとなっております。実は私、こういうことを一度だけ真面目に考えてしまって、一時期お肉が食べられなくなってしまったことがありました。今では『食べてあげないと家畜に失礼だ』という気持ちで食べていますが、その時は『人間たちの勝手な意思で殺されるなんて、可哀想すぎて食べられない』という考えを持っていたので、1週間近くは肉が無理でしたね。たかが1週間ですが。

そんな考えを持っていた私には、この作品はかなり心に残るものがありましたね。命について、とても考えさせられます。小学校や大学の資料にしても問題ないのではないかと(笑)

これを見てたら、私たちがお肉を家で調理するまでの間には、こんな裏話があったんだなーと思います。農家の人も、ちゃんと愛を持って家畜を育てているんだなと。これからは、そんな家畜と農家の人たちに感謝しながらお肉を食べることにします。2014年の冬に早くも二期をやるらしいので、楽しみですね。