Lovin さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見た感じ
レンタルDVDで視聴。仲居として働く女子高生が自分の将来像を描く話。
主人公は夢を持たない女子高生で、母親の都合により祖母の経営する旅館で住み込みの仲居をはじめる。そこには同級生が二人居たがなかなか馴染めない。一人はストイックに厨房で働き、劇的な環境になれることができない為に嫌われる。もう一人は穏やかな性格だが人見知りの激しさから避けられる。
厨房で働く娘は、過去の体験から料理人を目指して旅館に弟子入りを願い出て今に至っている。料理の腕はそこそこのようだが、口癖が「死ね」で主人公からそれはダメと指摘を受けた。真面目な性格なので、真面目に別の罵倒する言葉を考え出し「ホビロン」に落ち着いた模様。あだ名は「みんち」らしいが、自分がこう呼ばれるのは嫌じゃないのか。
仲居として働く娘は、大人しく人見知りな自分を変えたいと仲居に張ったが、その効果はあまり出ているとはいえない。とはいえ旅館の同僚達とは仲良くできており、特にみんちとは同級生でもあるためか二人で登校していた。頑張る主人公に刺激を受けてマイペースで努力を重ねている。あだ名は「なこち」のようだ。
それ以外に、途中からはライバル旅館の一人娘も一緒に行動するようになる。主人公達と同じ学校に通う娘は、登場の際は不真面目なちょっといやな感じだったが、修学旅行辺りから自分の将来について真剣に考えるようになり、単にノリのいい娘と言う印象に変わった。
これも予備知識を入れず見て、当たりを引いたと思った作品だ。多少小恥ずかしいシーンや台詞もあるが、純粋に少女達の心の葛藤が楽しめた。皆なりたい自分を目標に日々努力しており、主人公に至っては祖母に惚れ込み、勢いで四十万姓を名乗るほど明確な将来像を持つまでになった。
最終話で旅館の廊下を掃除しているシーンなどは、気丈な祖母の心がへし折られたのではないかと言うくらい強く成長した主人公を見て、かなり胸が熱くなった。物語は「彼女達の成長した姿を描く続編」をやれそうな雰囲気で終わったが、そういうのはこの作品の面白さを壊すので是非やらないでほしい、と思える作品だった。