るぅるぅ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
第二の人生。
物語は現実的な目線で観ると人権・倫理感が問われるセンセーショナルな作品。
瀕死の少女を義体化手術と同時に記憶消去する等と条件付で再び陽の光を浴びる日常へ。
彼等は少女を「義体」と呼びます。
その背景には政府の管理下にある社会福祉公社による力が働き、義体(少女)を使いテロ対策・要人の暗殺といった汚れ仕事をさせます。飼い殺し状態と感じる義体と呼ばれる少女を教育する担当官とのお話。
人権や倫理観・社会背景等と考えさせられますが、義体にされた少女の生き方を垣間見ると籠の中の鳥だけど新たな人生を見届けたい気持ちで観ていました。
どの少女も義体が無ければ、喜びも悲しみも知らない人生と呼ぶには程遠い年端もゆかない子供達が生きるチャンスを得れます。そして担当官は彼女達にとって絶対君主のような存在ですが、条件付と己の感情とせめぎ合い苦悩・葛藤し思春期の少女にしか見えないが命令であるか否か、どこまで条件付けをするべきなのか? と担当官の葛藤も描かれいます。
また、各パートナーが少女を物と扱うかの匙加減次第だと感じました。救いがなく報われないが、義体であってもそこに在るのは人。良くも悪くも利用しているのも人どちらも絶望的な関係であることは変わらないです。
勝手に生かされ許容は難しいとは矛盾していますが、組織にとって少女達は一粒の麦でしかないのでしょう。ただ、直接関わるとまた話しは別と人の考え方も機械のように割り切れたら楽ですが難しいですね。
それだけに少女達の感情の揺れ幅はどこまで条件付けされ、どこまで自分自身なのかと観ている側は疑心暗鬼に似た気持ちになってゆきます。
見所は、各担当官と少女達の両サイドから見せる丁寧な心理描写を考えながら魅せるストーリーだと想います。
内容がシリアスかつ鬱要素を含み人によっては嫌悪感を抱く作品でありますが、与えられた命を考える作品として安易に提示できない世界観も相まって人の指標になれば幸いです。
ジョゼとヘンリエッタの関係性を見届けたいので2期も観てみようと想いますが、評価あまり芳しくないですねw