カルメル さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
放浪:あてもなくさまよい歩くこと。さすらい。
放蕩息子かと思ったら、放浪なんですね。
いわゆる「男の娘」のお話です。
私はこの作品を見ている間中、心がザワザワして落ち着きませんでした。
中学生特有の危うさというか、不安定さみたいなものが、見ていて自分の精神も不安定にさせられるような感じがして落ち着きませんでした。
それはこの作品の主人公、二鳥君のはっきりしない感じに起因するわけなのですが、これがなんというかもう形容し難く、見ていてイライラする方も多いんじゃないかと思います。
エヴァのシンジ君を見てイライラする人は、間違いなくイライラすると思われます。
で、この二鳥君の悩みというのが、女の子になりたい(女装したい)ってことなのですが、その理由がまたなんともはっきりしない。
性同一性障害ってわけでもなさそうだし、自分がカワイくて女の子の格好が似合うというのを思いっきり自覚していて、なんだか冷静に考えるとすごく贅沢な悩みなんじゃないかと思えてきます。
で、当然顔が良いので女の子にはやっぱモテるわけで、やっぱり贅沢としか言いようがない。
相方の、有賀君を見習えと言ってやりたい。
しかしまぁ、悩みの大きさというのは比べられるものではなく、本人にとってはやっぱり大きな問題なわけで、迷走するんですね。
まぁだから、「放浪」息子なんだろうなと。
この作品、主人公はまぁこんな感じで、好き嫌いは分かれるところでしょうが、脇役がかなりよくて、物語に安定や救いを与えています。
この脇役たちがいなかったら、最後まで見なかったかもしれません。
千鶴と佐々ちゃんは影の功労者だし、アンナちゃんは可愛いし。
まあいろいろ書きましたが、かなり丁寧に作ってあるし、物語としても結構見どころはあると思いますので、興味のある方は見て損はないと思います。
そしてその時は、最後まできっちり見ることを強くお勧めします。