退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
オットナ向けでしたねー。
オープニング、かっこいいですね。デビッド・リンチの映画みたい。湯浅監督は逃避行を描かせたら天下一品。
オトナ向け。エロや殺傷もそうなんですが、
他人が痛い思いしてるのを乾いたギャグにしてしまう(冒頭の毎回変わる食人鬼の仕業シーン)とか、
風俗や薬、ズルいことやっても流されても「おとなってそんなもんだろ、むくわれないだろ?」って示す退廃的な部分。
そこそこオトナなので楽しめてしまいました。
でも、主人公がバカみたいに実直で汚れなかったから、それに支えられてたのもあるなあ。(リエとややあったけど…)
おさるや探偵など、信用するに足るハートフルなキャラクターが添えられてたのも、よかった。
悪趣味と儚い感傷を行ったり来たり、どちらも純度が高くて。
甘味のあとの塩昆布、希望のち絶望、その後は?
ある意味そんな表現の集大成である湯浅作品に惹かれてしまう。
塩湖の爺婆なんて、希望のち絶望そのものなんですけどねえ。この塩昆布、デカ過ぎませんかてくらい。
{netabare}
怖かったのは、初めの頃の、勧善懲悪をしてるはずの愧封剣、そこに由香が弔問に訪れた際のシーン。皆がハキハキと食事に強引に誘いこみ、穏やかな会話が次第に詰問へと変わるジワジワした流れ。どっちが鬼なんだと。ほわっとした椎名へきるさんの声が追い詰められて上ずるの。
寂れた観覧車での「ねぇー、おさむらいさぁーん」とか、女でもドキドキするような声がいっぱい聞けました。
大葉は最後まで行くとこまで増幅されて、そんなものとの闘い方なんて、サッパリ分からなかった。
実際こうやって、選択肢を拡げると見せかけて狭めて支配している製造業、コマーシャル文句に踊らされて本来必要のないささいなものを膨大に買わされ続けてるのに、気づき方もわからなくなっている方々って、いっぱいいますよね。
{/netabare}