河童dx さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
きれいな現実と見ていたくない現実
とてもきれいな作品だと思います。今までの作品だと秒速が一番近いと思いますが、秒速よりも「ハッキリ」した部分があり、約50分の作品でも満足できます。
「歩く練習」をしているというユキノと靴を作りたいというタカオのマッチ感はたまらなかったです。(個人的にはw)
タカオがどこにひかれていったのかはわかりませんが、お互いが見ていたくない現実から抜け出し(雨の降る公園へ行く)、ここではないどこか遠くへ目を向けようとしている(一人で歩けるようになろうとする/靴職人になる)など共通点も様々見受けられると思います。秒速とは違った感情表現を楽しめました。相変わらず、新海監督さんの心地よい余韻は健在です!笑
唯一、残念な点といえば、ラストシーン。タカオの作った靴はどうなったのか、を明確にしてほしかったです…。「あの人が歩けるような靴を作ろう」というタカオの気持ちはどこに行ってしまったんだろう…?笑
ユキノがまた先生をしているところで履いていてほしいというのが個人的な希望ではありますが…。
また、「梅雨」という時期を選択しているため雨による感情描写がとてもうまいと感じました。監督さんお得意のあの素敵な描写で描かれていたので、雨の日という嫌な印象がぬぐわれるかも…?
大都会、新宿をあんなにもきれいに描いていたのには、ただただ感激するばかりでした。
最後に、個人的にはピアノの音楽と雨がとても噛み合っているように感じました!主題歌のRainもとてもよかったです!
少し、この日常がきれいになり、雨の日の憂鬱さが薄くなるような作品だと思います。