緑川悠一郎 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
西尾維新節炸裂
ちりぢりに四散したものを集めてゆく話
ドラゴンボールや犬夜叉系の展開だが、古臭さを感じさせない
なぜ古臭さがないか考察してみる
1 ひとつには独特な西尾維新節。語り方に個性があればストーリーのありきたりさは克服可能ということか
2 刀と言いつつ刀ではない、という虚のつき方。刀の作成に未来の技術をつかった、という設定の妙
3 主人公の変化を取り上げれば、人を殺すことに躊躇いのなかったしちかが、思いやりや優しさを身につけてゆく話ということだが、「人を殺すことにためらいがない」というのが「悪人」であったということではない、のは新しいかんじがする
「悪人」というわけではなく、他の人間から閉ざされた孤島に住んでいたために、思いやりや優しさを知らなかっただけ、つまり、しちかは「無垢」であるために、人を殺すことに躊躇いがなかった
悪人が善人になる話ならばありきたりだけれど、無垢が善人になる話というのは珍しい
4 かませ犬設定を明言したりとか、読者を明言したりといった、つまりはメタなセリフの多用。西尾節に通じるところだけれど、こういうのがやっぱり現代っぽさを演出しているのだろう
とまあ、王道に西尾色を乗っけてオリジナル色を強めたような作品でした