ともか さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
欲張りすぎ? 楽しみ方を選べる作品。
ラノベ原作(未読)、 1クール(全13話)、 2013年春放送。
「フリーター魔王さまの庶民派ファンタジー」をキャッチコピーとした、
ファンタジー、コメディ、バトルの作品。
諸事情で、元々いた異世界(エンテ・イスラ)へと
戻れなくなった魔王サタン、勇者エミリアをはじめとする人物たちが、
偶然地球上に現れて、普通の人間の姿となって、
アルバイトを始める等、普通に生活しようとしている様子をコメディとして描いている。
(すごく大雑把にこんな所ですが、本当はもっと複雑。)
率直に言って、1クール作品としては物語に設定を盛り込みすぎ。
「魔王軍 対 勇者軍」 だけで充分だったと感じます。
第3の勢力や、その他の人物も追加される等、理解が追いつかなくなりました。
物語だけを抽出して観ればさほど難しくない話なのかもしれません。
けれど、日常パートの影響で進みが遅いし、
シリアス展開に入ると今度は駆け足で進むのも困りものでした。
物語面で良い点を挙げるとしたら、
伏線となる部分は若干強調されるおかげで気付きやすく、
見えない【←注目】の印が表示されているかのようでした。
「あの時の」と回収する様が分かるのは、やはり気分が良いものですね。
個人的に物語は二の次で、
単純に「バトルを含むコメディ作品」として見るのが吉でした。
最初は、地球に来たばかりの真奥(魔王)たちの、
不慣れな日本語に笑えて惹きこまれました。
その後は、みんな地球への適応力が高くて、日本語もあっという間に覚えてしまいます。
つまり同じネタで引っ張らないということ。好感が持てました。
その後も日常パートでは常にネタが飛んできます。
「来るぞ」と予想できてしまっても、やはり笑える。意外にシュールなのかもしれません。
個性派揃いなキャラも良く、ギャグの面白さを引き立てていると思います。
戦闘シーンはあまり多くないですが、迫力がありました。
先述の伏線強調も合わせて、演出が良いと感じます。
キャラの地球におけるネーミングもユーモアがあります。
異世界での名前と、部分的に一致している箇所があって、面白いですね。
ただ、作中では互いをニックネームで呼びあうことが多い。
覚えるつもりで観ないと、覚えきれないまま終わりそうです。
作画は良いほうで、キャラの特徴・魅力を引き出していたと思います。
声優の演技もイメージどおり+安定感がありました。
音楽は、OP・EDともに7~8回ほど聴きましたが、
曲自体は さほど印象に残っていません。
話数の進行ごとに映像が変化する演出は良かったと思います。
この備忘録を書きながらOP・EDを聴き直していますが、
ED曲は、雰囲気系の曲ながら歌詞に耳を傾けると良曲のように思えます。
OP曲: ZERO!!
ED曲: 月花
ED曲: スターチャート (第5話)
ED曲: ツマビクヒトリ (第13話)
最高とは言えないものの、全体的に良かったです。
それだけに、設定を盛り込みすぎている点が惜しい。
結末も、このままでは途中に思えるので2期を希望。
「物語しか見ない方」を除く、多くの方が楽しめる作品だと思います。
※個人メモ
{netabare}地球上と、エンテ・イスラでの、各人物の名前対応
真奥 貞夫(まおう さだお) ⇔ (魔王)サタン・ジャコブ
芦屋 四郎(あしや しろう) ⇔ アルシエル
漆原 半蔵(うるしはら はんぞう) ⇔ ルシフェル
遊佐 恵美(ゆさ えみ) ⇔ エミリア・ユスティーナ
鎌月 鈴乃(かまづき すずの) ⇔ クレスティア・ベル
猿江 三月(さるえ みつき) ⇔ サリエル{/netabare}