こたろう さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
スポ根アイドル
原作というか原案はアイドルユニットをデビューさせようというメディアミックス企画。
まずはキャラクターのビジュアルありきで、歌う楽曲を売ろうとして始まっているため、キャラの性格や背景、ストーリーなどは後付けで創られたそうです。
アイ○ルマ○ターという先達の二番煎じなのはミエミエですが、二次元から発進されるアイドルをプロデュースしようとのはいい試みだと思います。
この企画が商業的に成功したかどうかは判断しかねますが、それなりに楽曲も多く発表されており、こうしてアニメ化にもこぎ付けたのは、そこそこ商売として見込みがあるという事なんでしょうね。
まんまと潮流にノせられたわけではありませんが、華があってみんな可愛いと思えます(〃'▽'〃)
本作は、そんなアイドルグループ、μ'sが結成される軌跡を描いた物語となっています。
まずは楽曲がとてもいいです。
歌唱力がどうのこうのというのではなく、ちゃんと「アイドル」している曲と映像になっているのが好感度大。
OPを筆頭に、どの歌唱シーンでも元気で笑顔で楽しく歌って躍る女の子達が見ものであり素敵です。
CGを駆使した回り込むようにパーンするカメラワークや、各キャラのピンのショットと引きを交互に切り替える見せ方は、まるで音楽番組のような画面構成。CGの違和感が全く無いとは言えませんが、ダンスの動きも滑らかで、純粋に映像としての質は高いと思います。
要所を心得ているとういか、やはり眺めていてワクワクさせられる魅力があるのはさすがです。
物語は後付けらしいですが、各キャラにスポットがあててあり、1クールで一応まとまった構成になっています。
この世界観独特の「スクールアイドル」という設定を上手に使いこなして普通のアイドルものには無い味付け。部活やスポ根的なノリになっているので、学園ドラマの爽やかさで、なおかつ厳しい現実と向き合う事も描かれているのがイイ。
芸能界を舞台にすると泥臭くなったり、逆にあまりにキレイ過ぎても現実味が無くてウソくさくなるのですが、本作はそんな問題とは無縁。
これはホント、設定の使い方が巧みであると感心します。
声優さんにはかなりムラがあります。
仕方のない事ですが、元々アイドルとして歌う目的で召集されたメンバー。
声優としての実績と実力には九人いる中で大きなバラツキがあり、ほとんど声優経験のない人の演技の拙さが余計に目立つ結果になっています。
まあ、それでも聴くに耐えない程ではないので、今後の成長を期待しつつ見守るのがよろしいかと。
歌がメインで入って声優に挑戦して、段々と演技の実力をつけてくるのを堪能するのもこのテの作品の醍醐味ではあります。
演技力がアレだからといって、メンバー交代するわけにもいかないでしょうから、この場合。
寛大に見守りましょう。
総じて、楽しめたと言える作品です。
結末には多少の不満は感じましたが、2期の放映が決定しているのでそれも納得。
むしろ続編があるなら、期待感を持たせたこれからが楽しみな締めくくりとなっています。
このテの作品の定番になりつつありますが、余計なキャラ、特に男はほとんど登場しないキャラプッシュ全開の作風。(アイドルなんだからプッシュされてナンボなんですけど)
それが苦手でなければ、オススメできる一作です。