beatle さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
男にかなりオススメ、男なら観に行こうぜ!
男の古き良き浪漫が詰まった作品です。男なら観にいこうぜ!観た後に、ほろりと涙腺に僅かに水が溜まるか、ちょっとだけせつなくなるか、人生に後悔しちゃうか。いずれにしろ、この映画を観たら何かしら得るモノ、得られるモノが在ると思います。ちなみにオレは観終わった後に全部感じました。サザンのバラッド3を通しで聴き終わった感じに似た心境になりました。だから、男の作品なんですよ(分かる人は分かると思う)
序盤から主人公の飛行機、大空への渇望をスクリーンに描き出して、あんまり座席の前過ぎると酔って後悔するので、少しいつもより後ろに座って観ると幸せになれると思います。
飛行機という乗り物に対して、特に戦闘機という単語には他の人の意味合いよりもちょっとだけ深く感じてしまいます。祖父は戦時中パイロットの教官をして、アニメや映画で頻繁に描写されている大空での白兵戦もガチでやっていたからです。地上という絶対的な場所ではなく、たった独りで死ぬ事を覚悟して闘いに向かったり、部下が殺されたり、達成不可な指令を出す事はどれほどの覚悟が必要だったか。有り得ないですよね。ちょっと考えただけでも、考える事を逃避したくなるような現実に直面していた当時の人間は現在の人間である自分自身が評価する事は恥ずべき行為だとさえ思います。
その彼らを支えた乗り物(飛行機として)が大好きな少年の物語。マイルドな後味にしつつ、ヒューマンドラマ、時折残酷さが入るラブストーリーに仕上がっています。
超個人的には、戦争そのものの描写が入ってなくて、心底ほっとしました。エウレカセブンみたいなアニメでは、爽快感さえ有るようなスピーディなアクションで敵を撃破していきますが、その敵にも中身には人間が入っていて、その人間には父と母がいて、多分兄弟がいて、ひょっとしたら愛する人さえいて、もしかしたら子供も居るかもしれない、立派な大人をコンマ数秒で何人も殺していく描写は観ていて胃がむかむかしてきます。もしかしたらオレ自身の精神が幼いのから感じる事なのかもしれないけど。
現場のパイロットを重きに置いた視点でも、この映画には戦争の悲惨さや残酷さは時折僅かにかかる軽度なスパイス程度に感じ、本作品の本筋の部分である、日本男児の一つの夢を追った物語として、まったりゆったり楽しめました。
戦争が~~平和が~~という戦争関連モノ、ましてや、善悪といった話題には全く触れませんし、その部分は綺麗に丁寧にオブラートに包み込まれているので、右左関係なく、映画を楽しめる事が出来ます!(割とこの部分にパヤオは苦心したと思ってます)
という訳で、ヒマでポッケにちょっとお金があったら観に行こう!親子連れや友達と一緒でも全然大丈夫だと思います。とりあえず・・こちらはもう一回観ます。