るぅるぅ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
真実はどこ?
全11話 + 映画 UN-GO episode:0 因果論 約50分
原作:坂口安吾の『明治開化 安吾捕物帖』を近未来化にアレンジしたオリジナルストーリー。
原作未読で作品本来の本質はわからないが楽しめた。
ただ、1~2話は推理系として観ると拍子抜け無難というか〇ンコみたいでした と、間違っても言わないようにして下さいねw
くだらない前置きは流して本題にかかります。
内容は、主人公・結城 新十郎と探偵助手の因果と呼ばれる人ならざる者が難事件へ挑む。数々の事件に立ち塞がり推理する安楽椅子探偵みたいなキャラ海勝 麟六がと対立し社会の理を諭す真実を見定める物語。
先ず冒頭の掴みで判断してしまうと観る気が失せてしまうと想う。それも因果の能力にある「相手に1問だけ質問に答えさせる」という絶対的な力で捻じ伏せてしまう。推理モノに期待すると微妙な切り口になっている。
だが、3話以降より終戦を迎えた近未来を舞台にした世界観からテーマが伝わって来る。
曖昧な言葉で申し訳ないが、そのテーマも人それぞれで違和感を覚えると想う。アニメとして観ると社会風刺のようにも感じられ万人受けは難しい。
その一方、物事の本質を養うのであれば良い教材になる。
推理モノにした理由は、その本質を感じさせる道具に過ぎず、真実は1つではない裏を諭す教育番組的なイメージが伺える。
メディア王で安楽椅子探偵みたいな海勝 麟六は、事件の真相を把握し社会に都合よく真実を隠蔽する。それに反して結城 新十郎は真実を暴こうとする。さらにオカルト要素でもある因果と別天王(人の言葉を現実にする能力を有する)の対極的な関係図からも分かる。
その真実も日常社会の媒体はネット・TV・新聞とマスメディアを経由して知る真実。裏を返せば本当に真実なのか?と勘ぐってしまう一筋縄でない情報社会を示した世界観の意味だと想う。
結局、真実とは何か?
作中よく出てくる言葉を拝借すると「人は心の中に言葉にならない物を隠して生きている」
この台詞に尽きるのではないか。
人は良い嘘も悪い嘘もつくことがあるが、そこには必ず裏がある。それが全体を指すのか個を指すかの違いだと私は想う。その情報源ソースの裏を知るかどうかで人の思考は変わると同時に事柄の大小に左右される。
それが有益か損益か結果次第でまた変わり人の心理が関与して来る。だが、その心理も人それぞれ持ち合わせる個性によって真実は捻じれる。
それだけに社会全体の真実はどちらなんでしょうね?
と考えても限がないので終わります。
纏まりのない説教くさい駄文ばかり綴ったが、己が観て知ることしかないのかもしれない。
考えながら観ると事件の真実とコメディ要素を含ませたキャラ設定のバランスが陰鬱な世界観を漂わせずライトな作風に仕上がっている。
評価の難しい作品ではありますが、世界観と真実という哲学的な内容で楽しめ満足している。
ストーリーの補完には、映画エピソード0を観ないとわからないので映画時期にあたる6話で観るか最終話の楽しみにすると良いかもです。 もしくは、私のように先に映画を観て判断すると良いかもですw