にゃっき♪ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
inconsolableness and impatience on dead-end street
ただ普通の女の子のような生活に憧れていたヒロインの散華礼弥。
ゾンビになって、いくら先延ばしにしても、いずれ自我は崩壊し肉体は朽ち果てていくしかない、儚く行き場のない礼弥に救いは訪れるのでしょうか?
限られた時間しか残されていない礼弥のやるせなさと、手を差し伸べる術もない主人公の降谷千紘の行き場のないもどかしさが画面に描きこまれた作品です。
ネコ耳ヘアーなのは目をつぶるにしても、千紘のゾンビっ子萌えという設定はいったい何なのでしょう?
一生出会えないと思われたゾンビっ子が目の前に現れたあとの千紘のリアクションは、まるで最初からそんな設定はなかったかのようなのです。
礼弥のためにその時々に自分に出来る事に奔走する姿を、めちゃくちゃ応援したくなるような、愛すべき千紘くんなのです。
好きな相手が吸血鬼になってしまったとか、たまたま好きになった相手が実は狼男だったのならわかります。でも本当にゾンビ萌えなんてものが存在するなら、なぜ相手がゾンビっ子で、どこに惹かれるのか、もっと視聴者にわかるように熱く語るシーンがなければ私にはまったく理解不能で、客寄せにはなるかもしれませんが作品の品位を損なう不要なキャラ設定だったように感じました。
礼弥の父親は論外ですが、周囲のキャラは幼馴染みの左王子蘭子(わんこ)や妹の萌路など概ね好感が持てました。ただこの二人のエピソードを綴った回が変なタイミングで入ってきたので、もう少し全体の流れを考えて欲しいと思いました。すっきり1クールにまとまってはいませんので、あまりお薦めは出来ませんが、続編があるなら私は是非見てみたいと思います。
映像や雰囲気を楽しみたい作品に思えたので私は原作は見送りましたが、TV放送の12話以外に未放送の話が3つあるようで、円盤の6巻で13話(レンタル版にも収録。飼い猫のばーぶが好きならお薦め)、原作単行本のDVD付限定仕様の6巻で0話、7巻で14話を見ることが出来るようです。OADもレンタルしてくれればいいんですけど、販促目的なので無理でしょうね^^