Lovin さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
見た感じ
■概要
TV放送を視聴。原作小説は未読。京都で繰り広げられる人間と天狗と狸の三つ巴の話。
人間と天狗と狸の三つ巴、そんな微妙な均衡が保たれた京都の町に於いて{netabare}偽右衛門という{/netabare}元締の選挙が行われることになったが・・・
視聴前の期待度は3段階で★★と普通。キャラクタ原案が久米田康治ということでコメディ作品なのだと思い込んでいた。
本作品は監督:吉原正行×シリーズ構成:菅正太郎×制作:P.A.WORKS、1クール全13話で構成されている。
OPはmilktubが担当する「有頂天人生」で、作中に頻出する「阿呆」に合った勢いのあるロック調の曲だ。
EDはfhánaが歌唱を担当した「ケセラセラ」で、弁天の心境を表していると解釈すればマッチしているように思う。
本作品の聖地は京都だが、京都南座がスポンサードするなど少し他の作品とは趣が違う。
■主な登場人物
主人公
人間に化けることが好きな先代狸元締めの三男。
先生
ある事故が原因で半隠居状態になった天狗。
弁天
酔狂と言うか言動が理解しきれない元人間?現天狗?。
母上殿
男装を好む雷が苦手な先代狸元締めの妻。
長男
堅物で新元締めを目指している先代狸元締めの長男。
次男
訳あって井の中の蛙に化けている先代狸元締めの次男。
四男
まだ幼く尻尾が直ぐに出てくる先代狸元締めの四男。
■感想
作品を全編を通した感想は、京都の粋と言うかわびさびと言うか上手く表現できないが、そういった感覚的なものが理解できないと難しいと感じる作品だったと言うこと。
人間と天狗と狸の三つ巴と語られるが、三竦みの関係ではないことは念頭において見た方が良い。ガチンコ勝負をすると普通に考えれば天狗に軍配が上がるのは明白だが、そんな中でも微妙な均衡を保ちながら、それぞれがそれぞれの楽しみ方を謳歌する姿が描かれている。
かつ本作品をカテゴライズしろと言われればコメディになるのだが、その一言で終わらせるには惜しい非常に複雑な奥深さを感じた。江戸には江戸の粋があるように京都は京都の粋のようなものがあり、そういった雰囲気が理解できることでより一層この作品を楽しめるのではないかと思う。
恋愛ものではないので決め付ける必要も無いのだが、ミステリアスな弁天がヒロイン的ポジションなのかと思ったのだが、彼女はただ面白いことが好きなだけの、最後までミステリアスなキャラのまま終わってしまった。最終話付近を見れば分かるが、{netabare}まさか母上殿がヒロインだったとは出来なかった。化けた後の母上殿の{/netabare}見た目は可愛いとは思ったが。
最終話が終わった時点で、万人に奨められるが、阿呆や歌舞伎者が理解できる年齢が高めの方に奨めたいと思う。じょしらく的に海○蔵のように。
■作品の傾向
本作品に類似する作品は知らない、または思いつかない。
■蛇足:{netabare}
しかし聖地は京都と言っても、具体的にどの辺りが聖地になるのだろうか。朱硝子は本当にある店舗なのだろうか。
{/netabare}