Lovin さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見た感じ
■概要
TV放送を視聴。原作ライトノベルは未読。世界を救う話。
墓守として生活する主人公が墓場帰ってみると一人の男が話しかけてきた。
本作品は1クール12話で構成されている。
■主な登場人物
下記以外の人物は場面により変化する。
主人公
ちょっと変わった墓守の娘で12歳の少女。
おっさん
主人公の父の親友であり敵として追っていた。
傷持ち
顔に傷のある感情を持たない初期型の墓守。
■感想
視聴前の期待度は3段階で★★★と高め。キャラクタデザインと一枚絵が気に入ったので必ず見ると決めて望んだが、面白くはあったがちょっと希望を持ちすぎた。
神さまが見捨てた、という理由で十五年前から人間は体が壊れても動き続けることが出来、壊れた人間を殺す仕事を担うのが墓守、そして新しい人間はもう生まれることがなくなった世界が舞台の話である。そんな世界で主人公は、ある事件を切っ掛けに墓守として「世界を救う」ことを目標に掲げ旅に出る。物語は旅の途中に訪れる町でのエピソードを数話単位で描かれる。
序盤は主人公の生まれ育った町での過去に関わる出会いについて描かれ、このエピソードで登場する主要な人物は謎の拳銃使いで、彼が抱える孤独を中心に描かれている。掴みとしては最高の最終回となっており、出来ればこの第三話までは見て頂きたいと思う。
それから訪れる都市で出会う少年とその都市の姫君がそれぞれに背負う悲しい業、拉致された学校では生徒達が背負うトラウマ、傷持ちの心境の変化、誰かが願った永遠など、不思議な現象を交えながらネガティブな感情を中心に描かれていく。
基本的には暗い雰囲気の漂う物語ではあるが、時折出てくるコミカルな描写や主人公の無知から来る滑稽さは、緊張感のある展開の中でクスッとした笑いを誘われるのが私には好みだった。
残念なのは未解決の謎が幾つか残されていること、最終回があのように終わったにも拘らず・・・というところだ。せめて視聴者にもう少し希望の持てる終わり方にして欲しかったとは思う。
OPは喜多村英梨さん、EDは小松未可子さんが担当しており作風に合った曲でいいと思う。
■作品の傾向
ファンタジーな世界観でシビアな現実を描いた作品は幾つかあると思うが、本作品を見て多くの人が最初に思い浮かぶのは限られているのではないだろうか。
余り多くのことは知らないが「キノの旅」辺りを類似作品に挙げておきたい。
■蛇足:{netabare}
あれほど視聴前に期待しすぎてはいけないと思っていたのにまた同じことを繰り返してしまった。
面白くなかったわけではないけど。
{/netabare}