るぅるぅ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
妄想の邂逅
タイトルからして電波女キャラ設定に期待して観たが、意外と中身が充実したサイコサスペンス作品。
先に生々しい殺害シーンあるのでグロが苦手な方は避けるに越したことは無いと警告しておく。
この作品の見所は、電波女のキャラ設定とサスペンスの融合が現実社会との引き合いになっているようにも感じる。
キャラ設定と世界観っぽいもの(ネタバレしかない) {netabare}
通り魔という異常者にルールを課するのだが、現代社会では未だに当事者ではないと実際には分からない内情。作中ではアクセントにしている妄想である中2病(本来の意味は違うが)を使い表現されている。
度が過ぎた妄想が膨張し猟奇的な殺人を犯す。
犯人の思考は正常者と観る世界が異なるが本能的にブレーキをかけるものが作用する。その正当化するには、何かしら+α必要となる。
それがより強い妄想に見入られるか他者の介入によって強固になる殺人衝動への消化は巧いと感じた。
妄想と現実に潜む狂気を描いているのだが、人の中身にあるシグナルを警鐘しているようにも感じる。
それが電波女だが、的という表現から電波ではない。だが、彼女の行動と犯人像をイメージさせる露骨なミスリードも面白さの1つになっていた。人が有する記憶が元になっている。
記憶の良し悪しに関わらず強く作用すると人は妄信する信者と変わらないが。その節度のタガが外れると狂気に食われるのではないか。
良い記憶を媒介・・・中2キャラの雨(ジュウに救われた過去から王子と呼ぶことから敬愛している)
悪い記憶を媒介・・・レイプされた紗月美夜(現実逃避することで自我保っていた、最終的に正気に戻る)
犯人・・・タガが外れ正気との境界をさ迷う(悪く言えば中途半端者){/netabare}
カオスヘッドからSF要素を取り除いたイメージで観ると楽しめる作品だと想う。
くれぐれも責任は持ちませんw
妄想と人の境目を40分程度で巧く凝縮されている。