ぽよぞー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
近年稀にみる傑作
賛否両論ありますが、個人的には宮崎駿監督最高傑作です。
内容
ひたすらに淡々と話が進みます。完全に大人向けです。
基本的には、主人公がひたすら飛行機設計に没頭する内容なので、ストイックな話が好きな方や、クリエイターの方には特に感情移入、共感出来る作品かと思います。
「ジブリはドキドキ☆ワクワクして、トキめいちゃう☆ファンタジーじゃないといけない!!」と思っている人は、激しくスルーを推奨します。
予告からして、どう見てもトトロやラピュタ的な作品ではないです。
以下の属性に反応する人にもオススメ。
・大正~昭和初期の世界観
・メカ(列車、飛行機)
・作画
声優
どれも適役で、良いキャスティングですが、
主人公、堀越二郎を演じる庵野さんの声に対する非難が激しい印象です。
(棒読み、感情が感じられない、演技が出来ていない、等)
しかし、庵野さんの抜擢には演出的な意図があると思います。
↓以下、個人的な見解
{netabare}主人公が飛行機設計に没頭するあまり、家族や妻を蔑ろにする非人間的(エゴイスト)な側面を、
庵野さんの掴みどころのない、一見何を考えているのか分からないような声で表現しているのではないでしょうか。
また、棒読みは、『美しい物しか見えていない』主人公を表現しているように感じます。{/netabare}
映像
とにかく密度の高い作画で、どのカットもよく動き、妥協が見当たらない。
普通のアニメ映画なら止めの画を使用するカットでも、かなり動かしています。
美術に関しても、かなり美麗に描きこまれていてクオリティが高く、描きこまれた煙や雲まで動かす作り込みには驚きました。
(動いている部分はCGIだと思いますが、違和感はないです)
しかし、最も驚くべきはレイアウトの完成度の高さで、全編全く隙がないです。
宮崎駿さんは作品自体には賛否両論ありますが、レイアウトに関しては天才と言わざるを得ないという出来。